行動ファイナンス
金融の基本は、income gainとcapital gainを「合わせて」、税金などの要素も考慮して「実質的な損得」を計算して、意思決定すべきだ、というものであり、この基本に例外はない。
しかし、
インカム・ゲインは「運用で得た、使ってもいい収益のような気がする」といった心理(行動経済学で言う「メンタル・アカウンティング(心の会計)」のバイアス)があったり、
キャピタル・ゲインを得るための売却のタイミングが失敗することが精神的に負担だったり(行動経済学的には「後悔回避」のバイアスだ)、
といった心理から、インカム・ゲインを重視する人は多いし、金融機関も商品開発や商品の売り方で、顧客の心理的歪みを悪用している。
分配金を強調して顧客にとって損で売り手が得る手数料の大きな金融商品を売る手口は、行動ファイナンスの金融マーケティングに対する応用と考えていいが、経済理論の応用としては、異例なくらい大成功して収益を生んでいる。これは、金融商品の売り手側には喜ばしいことだが、投資家の側にとっては、嘆かわしいことであり、警戒すべきことでもある。
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