羅小黒戦記
https://youtu.be/abjUL_VVVpU
「俺と同じものを見ているやつが描いてるし、自分の表現にしている」
ストーリーの記憶スケッチ
もののけ姫のような森の描写から始まる、木の上に小さな黒猫がいる。これが主人公の小黒(シャオヘイ)
人間に森が襲撃され、木が切り倒され、猟銃で狙われるシャオヘイ。森を追われる
このときのシャオヘイは威嚇する猫のような声を上げ、凶暴性が描かれる
都会のゴミ捨て場でシャオヘイはこの夢を見て目が覚める
ゴミ捨て場で人に襲われるシャオヘイ、追い詰められて本来の姿(黒くていかつい獰猛なパンダのような姿)
シャオヘイ、初めて自分と違う妖精(フーシー)と出会う
都会の橋の壁を通り抜け、フーシーの仲間のいる森へ向かう
ハリーポッターの9と3/4線みたいなギミック
フーシーの仲間、妖精の仲間に迎えられ、帰る場所を見つけるシャオヘイ。やっと安住の地に至る
朝、目が覚めると、なにやら戦っている音がする。これは冒頭の森が人間に破壊されたときのリフレイン。その場所で仲間たちが一人の男(ムゲン)と戦っている
ムゲンは圧倒的に強いので、仲間たちは撤退しようとする。フーシーがしんがりをつとめる。シャオヘイはフーシーを助けるためにムゲンに向かうが、一撃で気絶してしまう。
ムゲンの操る剣の切っ先がフーシーに届こうとする寸前でフーシーは別の拠点へ壁をすり抜けて逃げる(ハリーポッターギミック)
フーシーら、シャオヘイ奪還を計画する
ムゲンはシャオヘイを連れて帰るとし、襲撃された拠点である島から大陸へ帰る際に、海岸で検知するために15kmを検知できるアイテムを妖精とともに大量に海岸へばらまく
ムゲン、シャオヘイを拾って街へ向かう
シャオヘイはムゲンから逃げようとするが、ムゲンの操る金属によって拘束されてしまう
ムゲンに手玉に取られるシャオヘイが描写される
シャオヘイは真の姿になってムゲンに不意打ちをしようとするが、次の瞬間には気絶する姿がコミカルに描かれる
シャオヘイ、ムゲンを嫌って逃げようとして覚えて溺れかけるところを助けられたりする
ムゲン航路で、シャオヘイを鍛える
シャオヘイの能力の属性を見極める
自分と同じ金属性なので、金属(?)の使い方を教える。
ムゲン曰く「埋め合わせ」
シャオヘイ、はじめは拒否するが、能力を鍛えれば逃げられると考え、訓練を承諾する
ムゲンの生命の空間(霊域)に入る(霊域はストーリー上重要な要素になる)
ムゲン、陸についたら開放するという
陸についたムゲンとシャオヘイ。シャオヘイはわかれようとするが、ムゲンに飯をおごると言われ、ついていく。シャオヘイは食い意地が貼っている。
魚ばかり食べていたので肉料理をひたすら食べる
代金が払えないムゲン
航路でお金が濡れてしまっているし、スマホも壊れているし、高価な翡翠を置いて食い逃げする
基素.icon辺鄙な場所だがスマホでの支払いができるのが中国ぽい。Alipayかな?
飯を食べたシャオヘイ、去ろうとするもムゲンに拘束される
「嘘つき」と言われる。実際嘘つきである
基素.iconムゲンはなぜ嘘をついたのだろう?心変わりすると踏んだのだろうか?
ムゲン、仲間と合流する
ここでムゲンと同じ執行官の妖精たちとあう。シャオヘイにとってはじめて人間と融和的な妖精と合う
シャオヘイは人間をどう思っているのか執行官の妖精たち聞く
あるものは人間に住んでいた洞窟を追われたらか、好きではないという。
あるものは人間は色々面白いものを作るからスキだという(スマホ)
あるものは人間なんかやっつけちまおうと思っている(でも人間が作ったスマホは使う)
人間に融和的な執行官といえども、その程度はまちまち
鳥をとってムゲンと飯を食べるシャオヘイ、フーシーらとの楽しい食事を思い出すも、隣はムゲンだということに気づく
シャオヘイ「フーシーはいいやつだ」
ムゲン「知り合って間もないのになぜそう思う?」
シャオヘイ「食べ物をくれた」
ムゲン「今食べているものは誰が渡した?(わたしが渡したんだ)」
シャオヘイ「フン、といいつつ食べた鳥が生焼けで吐く」
ムゲン、食べ物を粗末にしてはいけないと注意しつつ、自分も吐く
基素.iconここは結構わかりやすいギャグなのだが、多分「中国のギャグ」が作中には何度か出てきて、日本と違う表現なので新鮮
人間の街(龍游)についたシャオヘイ、人間と矯正する妖精に合う
妖精の数は500人。そんなにいるのかと驚くシャオヘイ
人間は数十万人(だったはず)
シャオヘイは人間の町が嫌いだという
シャオヘイの能力が領界(展開するとその空間を意のままに操れる)もあるということがわかる
ムゲンは能力の説明のときに「使える能力は1つ」といっているのが覆る
ようするにシャオヘイはレアな存在らしい
フーシー、妖精を襲って能力を奪う
フーシーの能力が明かされる
他人の能力を奪うのは重罪
普通の能力は奪われても一時的に使われなくなるだけだが、領界(シャオヘイの能力)の場合は霊域を奪われると死んでしまう
シャオヘイ、ムゲンと宿に泊まっているときに「あんたは悪いやつじゃない。いいやつでもないけど」と感情の変化を表す
シャオヘイ、地下鉄移動中にフーシーの仲間に誘拐されるもムゲンが取り戻す
地下鉄のバトルでシャオヘイも金属を操るが、能力が未熟で馬力が出せず、乗客の女の子を守るために本性を表す
親の大人には怖がられるが、助けた女の子にお礼を言われる
地下鉄の屋根の上にいるシャオヘイをフーシーが誘拐する
シャオヘイ的にはルーシーと合流したかったのでついていく
列車のレールを破壊されたのでムゲンは乗客の人名優先でシャオヘイを奪われてしまうが、迎えに行くことを決心
ムゲン「あいつには、わたししかいない」
フーシーが人間を憎む理由が説明される
人口数十万人都市となった龍游が、もともと自分の生まれた土地だった
だんだん人が住むようになった。フーシーもその過程で交流を楽しんだ
しかし、工業化が進むと極端な開発が進むようになってしまい、故郷を追われしまった
本来出ていくべきは人間だと考えた
基素.iconこのあたりはもののけ姫のたたら場と周辺の山野関係にかなり近い フーシー、シャオヘイに領界を展開することを依頼するが、シャオヘイはフーシーが自分の能力目当てに親切にしたことを残念に思い、また道中に出会った人間に融和派の意見もあり躊躇する
フーシー、シャオヘイの領界の能力を奪う
シャオヘイは死にかけてしまう
このときフーシー一味のロジュは領界の能力を奪うことに猛烈に反発する
ムゲン、シャオヘイを救うために領界を取り戻すため、フーシーを追う
フーシー、シャオヘイから奪った領界の能力を起動
フーシーとムゲンの格闘。フーシーとムゲンは舌戦も繰り広げる
シャオヘイを傷つけて妖精のためと言うフーシーをムゲンは糾弾する。フーシーは「言い訳はしない」という。
フーシーは、シャオヘイが傷ついたのはムゲンがシャオヘイを奪ったからだという。ムゲンと知り合わなければシャオヘイはフーシーを慕い、人間を嫌い、領界を展開しただろう
基素.icon目的のために最適行動をするというフーシーの鋼の意志が示される
領界が拡大し、街全体の住民を取り込もうとする(交渉材料にするつもり)
人間に融和的な妖精の組織が、人間をテレポートで避難させる
ただし妖精のこのような活動は基本的に人間から記憶を消す必要があるが、ここでバレてしまった
市長レベルとは共同しているが、市民は妖精の存在を知らないようだ
ムゲン、フーシーの展開した領界に入り、領界を取り戻そうとする
ムゲンとフーシーの戦闘がはじまる
シャオヘイ、球体の霊域(?)で目が覚める
謎の強キャラが現れ、ムゲンを助けに領界に入ろうとするが、もう入れない。
基素.icon次回作への伏線としか思えないキャラ
フーシーの領界で苦戦するムゲン。ピンチのムゲンの服の中に入っていたヘイシュウ(シャオヘイのしっぽから現れる生命体)と目覚めたシャオヘイが入れ替わる(シャオヘイが領界に入る)
シャオヘイ、領界を操り、ムゲンとともにフーシーを制圧する
シャオヘイは危害を加えたフーシーへの攻撃をためらわない
基素.iconこのあたりの葛藤はもう少しあるシナリオがあり得たんじゃないだろうか
このあたりの戦闘シーンは見せ場の一つ
フーシー、領界を解こうとするシャオヘイにとかないでくれと頼む。一度しか展開できないらしい。シャオヘイは展開できなくても良いとして解く
フーシー、自ら大樹となる(自害?)
この際、フーシーはシャオヘイにしたことを懺悔する
それを見た他の執行官は「どうせ木材か観光名所になる」と冷ややかな反応
無事、「館」にたどり着いたシャオヘイら。ムゲンは一緒に住むと思っていたのだが、ムゲンは住めないという。ムゲンは人間なのに強すぎて、負けた妖精が恨みを持っているので住めないのだ。
安住の地を探していたシャオヘイは、館に入らず、ムゲンと共にまた旅に出ることにする
初めてムゲンを「師匠」と言う
感想
冒頭の人に襲われるシーンはフーシーの仲間が操っている?
最終的に人間に融和よりな目線で描かれるが、これは幸せなのだろうか?
しっぽを隠して、妖精であることをバラさずに抑圧された中で生きていくのはいいことなのか
という点はもっと掘り下げられる気がする(今回のメインテーマではない)
戦闘がかっこいい
シャオヘイが可愛い
ムゲンが意外とおちゃめ
海のシーンのレイアウトに工夫がある
海は基本的に対比物がなく、単調になりやすい
アイレベルをかなり下げることで筏の丸太の高低差や隙間で画面に奥行きを出している
https://gyazo.com/3b09e8142c73714609f7572a05edc779
クジラや天気、波、水面を跳ねる魚群といったギミック
ストーリーのコアは相対的な正義
善悪は立場によって変わる
敵と見方が逆転する
フーシーは見方で、それを攻撃するムゲンは敵という描き方をしていたが、これがムゲンと旅をするにつれて視聴者はシャオヘイとともにムゲンよりの視点になる。フーシーが精霊を攻撃したり、人間社会に過激(?)な行動を取るたびに視聴者の視点はムゲンより(人間より)になっていく
この視点操作が鍵なので、どちらかが明らかに正しいとか間違っているとかは言えない構造にしなければこの作品は成立できない
このため、二元論で割り切れない構図がしかけられている
人間融和派の中でも人間への感情はまちまちだったり
フーシーを魅力的に書く必要があった
自分の故郷を取り戻すために活動しているリーダーという形で、筋が通った性格の造形だった
もっと魅力的に書いても良かったと思う
最後復活したシャオヘイがフーシーを倒すことに躊躇するぐらい、魅力的にしたらどうなるだろう
シャオヘイを「利用しようとして助けた」という裏切りが大きいマイナスイメージになってしまっている
でも絵的には敵がやっつけられるというのが爽快感があるので、それが犠牲になるから無理かも
続編がでるとしたら「やっぱりフーシーが言ったとおりじゃないか」?
妖精の抑圧を描けば、ムゲン側の心証が悪くなる