縦の独占
複雑な要因を縦に独占して操作することで、他に真似できない価値を生み出すというような意味だと解釈している
地味ですぐには利益がでない
過去250年の歴史をふりかえって、新しいことを始めて富を得たケースには大きく分けて2種類しかありません。第1に、19世紀後半から20世紀初期の第2次産業革命中に起きた縦に統合された独占です。 例えばフォード、スタンダード・オイル等、縦に複雑に絡み合った構造を組立て、それを有利に動かす。これは今日ではほとんどないケースですが、とても上手いやり方だと思います。私達の生きる社会は資本を中心に考えられているので、複雑すぎてつくりあげるまでに長い時間がかかるものを避けたがります。 Tesla、スペースXを考えても、これら企業の鍵は複雑に絡み合った縦の独占にあると思います。テスラやスペースXには世に大きく騒がれる大きなブレイクスルーがあったでしょうか。もちろん彼らの功績は素晴らしいですが、一時的に大爆発するブレイクスルーはなかったはずです。彼らが素晴らしいのは様々な要因を縦に組み立ててここまで発展してきたということです。 テスラは自動車販売業者を取りまとめて、彼らの受け取るべき利益を販売業者に持っていかれないようにしました―これはアメリカの自動車業界ではよくあることなので―。スペースXも同じです。
多くの航空宇宙会社大手が特定の下請け業者と取引していますが、特定の業者としか取引しないことが結果として下請け業者の得になる取引で合意し、彼らに利益にならないやり方をしているのに対し、スペースXは下請け業者を全て仲間に引き入れました。
このように縦社会ををつくることの重要性は、近年のテクノロジーの発展を考える上でももっと注目されてもよいはずです。