精神病
身体拘束に詳しい池原毅和弁護士は山崎氏の「拘束して治療のプログラムに乗せる」との発言を問題視する。「一般医療では手術後に、手術痕をかいて悪化させることを防ぐために拘束する場合はあるが、精神医療は一般医療と違い、治療のために拘束する手段は認められていない」とする。「一般医療は治療の同意が取れた患者がほとんどだが、精神は半数が強制入院で、本人の同意が全く取れていないまま拘束されるからだ」と違いを指摘する。
そのような人の同意は現実問題どう取れるのか?基素.icon
診療報酬なし
拘束しないで、患者さんが逆に自殺したとか、転倒骨折したとかの方が怖い
精神科病院より一般医療での拘束の方がはるかに多い。知らない? 厚労省の班研究で施設内拘束って6万件あるんだぜ。...
なぜ日本だけこんなに拘束件数が多いのか。
「海外は入院させないからだ。デポ剤(持続性注射剤)打って帰しちゃう。入院が少ないから拘束数も少ないんだよ」
じゃあ日本も今後は病院ではなく、地域で見守る態勢に本腰を入れるべきだ。
「障害年金たった年間70万円で、どうやって地域で生活させんの? できないよ。働けないんだぜ」 社会構造も変えないと。
「変わんねえよ! 医者になって60年、社会は何も変わんねえんだよ。みんな精神障害者に偏見もって、しょせんキチガイだって思ってんだよ、内心は」 山崎氏もそう思うのか?
「ぼくは親父おやじの病院を継いで2代目だ。小さい時から、閉鎖病棟で患者さんに遊んでもらって育った。たまたま不幸で病気になっちゃった人って思っている」
精神科病院に入院し続けることは幸せなのか。
「そう思うよ、ぼくは。地域で、アパートで一人暮らししながら、明日のことも分からず生活するのと、病院の4人部屋で皆でご飯食べるのと、どっちがいいかって言ったら、ぼくは病院を選択するよ」
30年入院してても?
「出してどうすんの? 地域でマンツーマンで診れるならいいが財源も人もいない。支えているのはいつもボランティアじゃねえか」
退院した当事者らと運営する福祉作業所「ほっとスペース八王子」施設長の藤井雅順さん(36)は、「どうやって地域で生活させんの?」という山崎氏の言葉に「現実との乖離かいりがありすぎる発言だ。作業所などは確かに人員態勢や収入面での苦労はあるが、それぞれのペースに合わせて楽しみを見つけ生きている」
滝山病院(東京都)事件など虐待は起き続けている。再発防止策は。
根拠不明の診断に基づく投薬、暴力
「滝山への入院は全部他院からの紹介だ。透析患者や難しい案件の患者をなぜ公立病院がやらないんだ。それを言えよ」 来年は診療報酬に加え、障害報酬や介護報酬といったトリプル改定になる。 「精神科も診療報酬を一般診療報酬並みにと訴えているが、全然だめ。精神科診療報酬は入院が9割。診療報酬の構造が違うわけ」