知識の自動化
知識が自動的に取り出せるようになること
最初に明示的知識をみにつけ、練習することにより、自動的に使えるようにする
(宣言的知識)―自動化→(手続き的知識)
こうした図式は正しくも見えるが、以下のような問題点もある。
◯根本的な問題・限界:
1. 複雑な言語ルールを全て明示的知識として習得するのは無理
2. 自動化そのものに限界がある(3単現の-s:頭でわかってても使えない)
1.から分かるように、自動化理論は、母語習得に関しては破綻している。第二言語習得にもある程度使えるかもしれないが…。
declarative knowledge
知っていること。語彙
宣言的記憶に貯蔵されるらしい
評価方法:テスト
procedural knowledge
できること
スポーツの技術、楽器の演奏、問題解決
評価方法:パフォーマンスを評価する
文法規則は、両方の知識タイプの特徴を持ち合わせており、文脈によってdeclarative knowledgeとprocedural knowledgeの両方に分類されうる興味深い例です。以下にその理由を説明します:
Declarative knowledge(宣言的知識)としての側面:
文法規則は明示的に述べることができます。例えば、「英語の現在完了形は have/has + 過去分詞 で構成される」といった形で表現できます。
文法書やテキストに記述され、学習者が暗記したり参照したりすることができます。
テストで文法規則の知識を問うことができます。
Procedural knowledge(手続き的知識)としての側面:
実際の言語使用では、文法規則を意識せずに自動的に適用することが多いです。
母語話者や熟練した言語使用者は、文法規則を明示的に述べられなくても正しく使用できます。
文法規則の習得は、単なる暗記ではなく、繰り返しの練習と経験を通じて獲得されることが多いです。
習得と使用のプロセス:
多くの場合、文法規則は最初は宣言的知識として学習されます(例:学校での文法レッスン)。
その後、練習を重ねることで、徐々に手続き的知識に変換されていきます。
最終的には、意識せずに自動的に適用できるようになります。
言語学習の文脈:
第二言語学習者にとっては、特に初期段階では宣言的知識として扱われることが多いです。
母語話者や高度な熟練者にとっては、主に手続き的知識として機能します。
研究と教育の観点:
言語学者や文法研究者にとっては、文法規則は主に宣言的知識として扱われます。
言語教育では、両方の側面を考慮したアプローチが取られることが多いです。