物理の散歩道
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めちゃくちゃ面白い
日常現象について、物理をこよなく愛する物理学者たちがユニークな視点で語り合う名エッセイ集。ロゲルギストという同人名で雑誌『自然』に発表し、その連載から精選しまとめたのが本書である。
有限の空間にどれだけ物を詰め込めるかを考える「つめこむ」。ムダ紙をなくすにはどうすればよいかを問う「棄てる」。あるいは「洋服は二着交替に着た方がいいか」といった一見物理とは何も関係ないような話題にまで、鋭い指摘や議論が飛び交う。数々の珠玉のエッセイが収録されている。
第1部
つめこむ
棄てる
くっつける
何を動力化するか
洋服は二着交替に着た方がいいか
かきもち問答
人形を直立させる実験
はいるもの、出るもの、残るもの
第2部
紙玉デッポー
対称性が役立つ場合
増幅器、ピンからキリまで
天井を這いまわる法
花火
人間部品の試み
よこぐるま
一つの実験記
第3部
さがす
ロバはなぜ死んだ
音のかたまり
「イトー」「ロジョーホコー」「ハーモニカ」《ラジオ勉強》考
頭のよさと記憶力
宇宙船とマッチ)
はたして豆腐はどれくらいの大きさまで作れるのかを論じた「丸ビル大の豆腐」。石けん膜のような泡の重さを問う「泡の目方」。ガマの油の話題から始まり切断の本質を問うた「切れるということ」。立っている姿勢にはたらく力のかかり方、ズボンのバンドの閉め方までを追究する「人はなぜ疲れるか」などの佳品を集めた。いまなお未解決の問題も多い。そして言うまでもなくその切り口は絶妙である。
第1部
丸ビル大の豆腐
バネとゴムとは使いよう
社会における流れ学
切れるということ
表面張力のあれやこれや
フール・プルーフ)
第2部
泡の目方
最大・最小をめぐって
一方交通の機構
ステレオ写真の秘密
生活の中の力学
パラドックスの効用
人はなぜ疲れるか)
第3部
「午後一二時三〇分」
かさねあわせ
呼鈴はなぜ鳴るか
パターンの識別
シロウトの日本語文法)
日常現象について、物理をこよなく愛する物理学者たちがユニークな視点で語り合う名エッセイ集の第三弾。初版刊行以来四五年を経てもなお新鮮さを失わない。スポーツ物理の先がけとも言うべき、ボール投げ、跳躍、徒競走の力学を扱った「陸上競技」、道徳や倫理の授業に確率の考えなどもっと数理的な視点を取り入れることの大切さを説いた「数理倫理学序説」など、やさしい筆致のなかにも、その意味するところは非常に深いものがある。
第1部
海女と力士
陸上競技
斜め向きに歩こう
足をとられる話
一石二鳥
防寒夜話
第2部
わずかなエネルギーの利用
コントロールを楽しむゲーム
見えるもの見えないもの
耳が痛くなる話
第3部
盲者象を撫でる
登頂の真偽
「数学に強い」ということ
数理倫理学序説
でたらめの科学
日常現象について、物理をこよなく愛する物理学者たちがユニークな視点で語り合う名エッセイ集の第四弾。初版刊行以来四〇年を経てもなお新鮮さを失わない。
庭土に根の張った雑草を上手に引き抜くにはどうしたらよいかを物理的に考察する「芝生の雑草抜き」、また横断歩道はどのタイミングで渡るべきかなどを説く「交通安全の考え方」、なるほどと思わせてくれる「ブーメランはなぜ戻る?」など、ときにユーモアを交えながら、やがて核心に迫っていくスタイルは圧巻である。
第1部
芝生の雑草抜き
交通安全の考え方
千鳥格子の謎解き
ジャンプの踏切り
青空にあいている孔
第2部
星はなぜ星形にみえるか
水玉の物理
SF映画鑑賞法
戦後強くなったもの―磁石
第3部
ウサギ追いは山をみない
理解の形式
不規則なものの効用
科学放送―ラジオとテレビ
カネオクレタノム