流産
一回の妊娠における流産の頻度は平均的には15%ですが、加齢とともに増加します(図1)。
特に40歳以上では妊娠の約半数が流産します。散発流産の70-80%は胎児(胎芽)染色体異常によって起こります。これは夫婦の染色体が正常でも起こります。卵子・精子は染色体減数分裂を経て成熟します。
精子が生涯作られ続けるのに対し、卵子は胎児期に卵母細胞が作られた後、新たに形成されません。減数分裂の途中で卵子形成が止まっており、排卵の直前に減数分裂が再開して成熟します。そのため、排卵までの時間が長い(高齢になってから排卵する)と、染色体分配エラーが起こるため、それらの卵子が受精すると染色体が3本あるトリソミーや1本しかないモノソミーといった染色体数的異常が発生することがあります。モノソミーの受精卵の多くは妊娠に至りません。トリソミーの受精卵の一部は妊娠しますが、途中で発生が止まります。その結果が流産となります。 女性の加齢とともに不妊症、流産ともに増加します。
早い段階で妊娠・出産する方が流産確率が少ない