武器輸出ルール大転換:何が変わるのか
Sonnet 4.6.icon「非武器しか輸出できない」という戦後日本の平和国家路線の根幹が崩れ、ミサイルや護衛艦まで売れるようになるかもしれない、という歴史的な政策転換
現行制度(5類型)とは
現行ルールは「救難、輸送、警戒、監視、掃海」の非戦闘目的5類型に限り、殺傷能力のない装備品しか輸出できない仕組みだ。たとえばウクライナへは防弾チョッキを提供できたが、防空ミサイルなどは輸出できなかった。
この5類型制限は2014年、安倍政権が原則禁止を転換した際、当時連立を組んでいた公明党の懸念に配慮して設けた経緯がある。
課題となりうる第1は、審査の基準が不明確な点です。移転の可否を判断する際には「我が国の安全保障上及ぼす懸念の程度」などを厳格に審査するとしています。しかし、この懸念を図る基準が明確ではありません。時の政権は、抑制的に運用することもできるし、緩和的に運用することもできます。防衛装備移転の可否の判断において、政府が国民に信用され続けることが重要になります。
今回の変更でもこの点は引き継がれている。一読して弱い原則と強い例外だと思った基素.icon
今回の提言案の内容
提言案は5類型を撤廃し、装備品を「戦闘機・護衛艦・潜水艦など殺傷・破壊能力のある『武器』」と「防弾チョッキなど『非武器』」の2分類に改める。殺傷能力のある武器を含め、原則として移転可能とする方向を明記した。
輸出の条件(歯止め):
輸出先は日本と「防衛装備品・技術移転協定」を締結している国に限定。武器を輸出する際は、首相や閣僚が出席するNSC(国家安全保障会議)の閣僚会合で審査する。
現に戦闘が行われている国への移転は「原則不可」とするが、「わが国の安全保障上の必要性を考慮して特段の事情がある場合」は例外とした。
スケジュール
自民党は2月25日の党安全保障調査会で提言案を了承し、3月上旬に政府に提出する方向だ。政府は春にも防衛装備移転三原則の運用指針を改定する予定で、防衛省幹部は「GW前に撤廃できれば5類型がない状態で閣僚が外国を訪問できる」との認識を示す。また3月19日に予定される日米首脳会談の前の改定も視野に入れている。
推進側の論拠
一連の制度改革は日本の防衛関連企業が装備品を海外に売りやすくするためだ。現在は国内防衛産業の販売先がほぼ自衛隊に限られており、収益が見込めなければ生産から撤退する可能性もある。
この論拠は嘘ではないがインセンティブ設計を転換するほど強くない基素.icon
反対・懸念の声
立憲民主党の岡田克也氏は「紛争を助長するような殺傷能力のある武器は輸出すべきではない」と主張している。
中国外務省も自民の提言案に「重大な懸念」を示した。