映画はなぜ24fpsなのか
@YoheiKoike: フレーム補完に関する件、いちアニメーターとして自論を書かせて頂くと…
まず、普段我々が見ている「現実」は秒間フレームはほぼ無限大、目に映る色やシルエット、動きなども多く、コレを「現実レベルの情報量」と定義してみる。
すると創作物においてその対局となるのが小説。小説は文字以外は全てオーデェンスに委ねられるため、キャラクターの外見や動作など、想像による脳内補完を多く要します。その分ファンタジー(非現実的世界観)はオーディエンスによって受け入れられやすく、最も現実レベルから遠い表現とも言えます。
漫画は、そこに絵の情報が加わり、コマとコマの間にある出来事をオーディエンスが脳内補完する仕組みです。
そして、アニメは、さらに動きが加わり、声が与えられ、色鮮やかになったものです。
この調子で、小説→漫画→リミテッドアニメ→ピクサー系3Dアニメーション→実写映画→現実、という様な順で情報量が増えていきます。
しかし現実に最も近い、実写映画でさえ、スタンダードとして秒間24コマで撮影されており、このコマ数での現実との差異によってオーディエンスはスクリーンの中と自からの現実に境界線を引くことができていると考えています。
秒間のコマ数は少ないほどフィクション(非現実)、増えれば増えるほどリアル(現実)に近づくので、24コマではカッコよかったアイアンマン、トニースタークも、60コマになると、途端にコスプレおじさんが額縁の向こうで突っ立っている様に見えてきてしまう現象にみまわれます。
つまり、情報量が現実に近づくほど、よりビリーバビリティ(信憑性) のある作品になっていくけれど、一定値を超えるとソレは身近になり過ぎてしまい、フィクションが飲み込み辛い絵面になってくるという訳です。
この点をよく理解できていない場合「情報量は、増えれば増える程リッチ!」と思われてしまいがちで、ソレが故にテレビのフレーム補完設定が購入時デフォルトになってしまっていたりすると推測します。あの補完は、野球やゴルフなど、スポーツを現場で観戦したい層向けの物であり、創作物にとっては寧ろ天敵と言えるでしょう。
情報量には、エンタメそれぞれの目的に応じた「適度」というものがある、と思っています。
@motoso: 24fpsと60fpsの議論はYouTuberの撮影でもたまに話題になるよなー。実写が24fpsなのは現実感を落とすというのは本当なのかなぁ?じゃあリアルな作品なら60fpsのほうがいいってこと?
24fpsになった歴史はこれを読むと単に技術的な制約に見えるし60fpsのほうが良さそう?
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