新版画
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明治30年前後から昭和時代に描かれた木版画
浮世絵の近代化と復興を目的として、版元を中心に絵師、彫師、摺師による分業で制作されました。
版元の渡邊庄三郎(1885〜1962)が大正初年に始めた動きで、浮世絵の彫りと摺りに同時代の画家の絵をあわせて新しい表現を開拓しました 新版画は、江戸時代の浮世絵の製作方法(絵師・彫師・摺師の分業制)を用いて、より芸術性を強く意識した「浮世絵」のルネサンスとも言われています。 明治維新後に西洋から写真や石版印刷の技術がもたらされ、木版画の浮世絵が衰退していくなかで生み出された 川瀬巴水かわせはすい(1883-1957年)は風景版画の第一人者で、その精緻な作風は、浮世絵の葛飾北斎と歌川広重と共に、「3H(Hokusai、Hiroshige、Hasui)」と並び称されたという。 背景
江戸時代に流行した浮世絵版画も、明治27年(1894年)に起こった日清戦争を描いた戦争絵の一時的なブームを最後に急速に力を失っていき、明治30年から明治40年代になると、廉価な石版画、写真、大量印刷の新聞、雑誌、絵葉書などという新商品の人気に押され、売れ行き不振となり、衰退していった。 関東大震災以降になると、吉田博など私家版によって木版画を制作する画家も現れていった。