思考の道具としての物語
目的
自分が感じている違和感や問いを、小説という形式を通じて探索・深化させる。結論を出すためではなく、問いの構造を明らかにするために書く。
解決する状況
答えの出ない問いを抱えている。自分の考えを整理できていない
リサーチや調査の過程で「これは何か大きい」と感じたが、言語化しきれていない
捉えきれない複雑さがある
前提となる素材
あるテーマについてのリサーチ(文献、データ、歴史、観察など)
そのリサーチから生じた感覚(違和感、予感、仮説)
LLMとの対話環境
手順
1. 断片を書く
リサーチから得た感覚を、小さな物語の断片として書く。完成度は問わない。設定でもいい、シーンでもいい、キャラクターの独白でもいい。
例:『十五秒のハウリング』の構造
2. LLMに批評させる
LLMに見せ、批評を求める。強み、弱み、改善点。ここでのLLMの役割は「賢い読者」。
3. 批評に応答する
LLMの指摘に対して、「そうではない」「それはこういう意図だ」「ここがまだ決まっていない」と応答する。この応答の過程で、自分が何を書こうとしているかが明確になる。
4. 問いを抽出する
対話の中で、自分でも気づいていなかった問いが浮上してくる。それを言語化する。
例:「具体がないのに、なぜ一般化(国)を信じられるのか?」
5. 問いに対して仮説を立てる
LLMが仮説を提示することもあれば、自分で立てることもある。重要なのは、仮説を物語の中でテストできる形にすること。
例:「具体がないからこそ抽象を信じる」→ 空虚を抱えた人物を描く
6. 世界観・構造を更新する
対話を通じて得られた洞察を、タイムライン、キャラクター、設定に反映させる。
7. 具体的なエピソードを考える
6,7は順序が入れ替わることもある
抽象的な構造が見えてきたら、それを具体的なシーンとして描けるか検討する。ここでまた断片を書き、1に戻る。
8. 対話の記録をまとめる
対話の中で決まったこと、残された問い、仮説を整理して保存する。これが次の対話の出発点になる。
特徴
結論を急がない
「読者に何を伝えるか」「テーマは何か」を最初に決めない。シミュレーションに徹することで、自分でも予期していなかった構造が見えてくる。
完成した作品を他者に読ませることが第一目的ではない。書く過程そのものが思考を進める。結果として作品ができれば、それは副産物。