富裕層への課税強化
2023年度税制改正において、岸田内閣は超富裕層への課税強化を打ち出しました。これは、いわゆる「1億円の壁」問題の是正を目指したものです。 具体的には、年間の基準所得金額から3.3億円を控除した金額の22.5%が、その年分の基準所得税額を超える場合、その差額に相当する所得税を課するという内容です。
「令和5年度税制改正大綱」において2025年から実施するとされており、通称「ミニマムタックス」と呼ばれています。 主に年収30億円以上の超富裕層を念頭に置いているとされるミニマムタックスですが、累進課税制度を採用している給与所得や事業所得のみで収入を得ている人であれば、どんなに高所得であっても対象になりません。一方、株式や配当、不動産譲渡などによる収入が多い人だと、所得が30億円未満であってもミニマムタックスの影響を受ける可能性があります。
超富裕層に対する課税強化策が盛り込まれた令和5年度税制改正が3月28日に可決・成立した。
今回の超富裕層ミニマム税についても、企業家のモチベーションを損なうといった声が一部にあったが、広まりはしなかった。NISA(少額投資非課税制度)を総額1,800万円まで大幅に拡充する改正と組み合わせたことで、市場関係者からの声高な批判は封じられた。
ホワイトハウスは「(現行の)不均衡な税制では、富裕層が中間層よりも低い税率を払っている」と指摘した。未実現の分も含めて所得の8%しか課税されていないとして、最低税率の導入を訴えた。