完全雇用
Claude 3 Opus.icon
完全雇用とは、失業率が0%という意味ではありません。
一般的に、完全雇用は以下のような状態を指します。
1. 求職者の大多数が比較的短期間で仕事を見つけられる状態。
2. 失業者の多くが、職を探す間の一時的な失業状態にある。
3. 労働市場が安定しており、インフレ率が適度に抑えられている。
現実的には、ある程度の失業率は常に存在します。これは、以下のような理由によるものです。
1. 転職や新たな仕事を探している人々の存在(摩擦的失業)。
2. 産業構造の変化によって、スキルのミスマッチが生じること(構造的失業)。
3. 景気の変動によって、一時的に労働需要が減少すること(循環的失業)。
多くの経済学者は、完全雇用の状態を失業率が2~3%程度の範囲内にあると考えています。つまり、完全雇用とは、求職者のほとんどが職を見つけられる状態を指すのであって、失業率が文字通り0%になることを意味しているわけではないのです。
本稿は、完全雇用になると、もはや経済政策は目標が達せられたと考えてよいか、という点を問うことをテーマにしている。例えば、成長率を上げて国民生活の向上を目指すとしても、完全雇用下では労働力を使い尽くしているので、もはや労働投入量を増やすかたちの成長はできなくなるとされる。