労働党
労働党は1900年、イギリスで階級社会が色濃く残る中、労働者を守る立場を掲げて創設されました。
そして、1924年に初めて政権の座につくなど、保守党とともに2大政党の一角を担ってきました。 第2次世界大戦後、「ゆりかごから墓場まで」と形容される手厚い社会保障制度を築きましたが、その後、労働組合が繰り返したストライキなどへの批判が高まり党勢は低迷しました。
1997年には、自由主義経済と福祉政策の両立を目指す「ニューレーバー=新しい労働党」を掲げ、中道路線に舵を切った当時のブレア党首が圧倒的な支持を集めて政権に返り咲きます。
10年以上にわたって政権を維持しましたが、2010年に総選挙で敗れてからは党内の路線対立が表面化しました。
2015年には鉄道の再国有化や核兵器の廃絶などを掲げた左派のコービン氏が党首に就任したものの、イギリスのEU離脱をめぐる方針の違いから下院議員の多くが不信任を突きつける事態にまで発展しました。
そして、EU離脱が最大の争点となった2019年の総選挙で大敗した責任をとってコービン党首が辞任したあと、弁護士出身のスターマー氏が党首に就任し、中道路線への回帰を図ってきました。