先延ばし
東京大学大学院総合文化研究科の開一夫教授と、博士課程の柏倉沙耶らによる研究グループは、「今よりも未来のストレスが増えることはない」と信じる未来楽観思考の人は、深刻な先延ばし(注1)癖が少ないことを発見しました。
本研究では「時系列的ストレス観」と「時系列的幸福観」(注2) という新指標を導入することで、先延ばし癖のある人 が未来に対して抱く印象をこれまでにない新たな切り口でより定量的に測定することが可能になりました。
この研究成果から、深刻な先延ばしを減らし、将来のために行動できるようになるには、未来に希望を持つことや、希望を持てるようなサポートを受けることが重要であることが示唆されました。
先延ばしを引き起こす先行要因が数多くの先行研究によって検証され、先延ばし癖のある人は一貫して「未来を軽視する傾向」があることが示されてきました。 では、一体なぜ先延ばし癖のある人たちは未来を軽視するのでしょうか。
従来の研究では、先延ばし癖のある人たちがそもそも未来に対してどのような印象を抱いているのか、未来だけでなく過去や現在も含めてどのような「時間観」を持っているのかが十分に検討されてきませんでした。
ストレスと幸福がどう変わっていくのかを含めて調査したら、幸福がどう変わるかは有意差がなかったが、ストレスについては有意差があった
(A) 時系列的ストレス観の類型。
下降型(descending)は「未来にいくにつれてストレスは減る(少なくとも過去よりは増えない)」、
への字型(skewed mountain) は「過去のある1点でストレスが1番高く、そこから未来にいくにつれてストレスは減る」と感じている。
この研究の一番の疑問は、「への字型」が先延ばしがそこまで少なくないと言うことだ基素.icon
表題文の「「今よりも未来のストレスが増えることはない」と信じる未来楽観思考の人は、深刻な先延ばし(注1)癖が少ないことを発見しました。」と書かれていて、未来にストレスが減ると考える人は全員そうなのかと思いきや、過去にストレスが増えた経験があると先延ばしは無くならないように見える結果になっている
Claude 3.5 Sonnet.icon論文の考察部分では、この特定のパターン(skewed mountain)に関する詳細な分析や解釈は提供されていません。
「5年ぐらいは今より厳しい(頑張らないと)だが、そのあとは楽になる」と報酬を考えることに意味がある?
https://gyazo.com/042ec54d5e56a247b72099e624a654f5
Claude 3.5 Sonnet.icon
Q1: この研究では、先延ばしをどのように考えているの?
A1: 先延ばしを「時間に関する決定の連続」として考えています。例えば:
課題をいつ始めるか
途中でやめるか続けるか
期限までにどう時間を使うか
これらの決定を数学的に分析しているんだ。
Q2: 研究者は先延ばしの何を調べたの?
A2: 主に以下の点を調べました:
先延ばしの「パターン」(例:最後まで待つ、少しずつやる)
脳の「報酬計算」(今すぐの楽しさvs将来の結果)
「不確実性」の影響(例:課題にかかる時間がわからない)
Q3: どんな面白い発見があったの?
A3:
先延ばしには「いろいろなタイプ」がある
脳は「近い未来」を「遠い未来」より重視しがち
例えば:
この宿題、どのくらい時間がかかるんだろう?
自分にちゃんとできるかな?
やっても良い結果が出るかどうか分からないな...
こういう不安や疑問があると、ついつい後回しにしちゃうんだって。
学生たちの「先延ばしパターン」を見つけ出した。 それぞれのパターンを「数学的にシミュレーション」して理由を探った
1. 最後まで待つパターン(Last-minute rush)
特徴:期限直前まで何もせず、最後の瞬間に慌てて取り組む
例:学期末ギリギリまで実験参加を先延ばしし、最後の週に集中して参加する
可能性のある理由:
プレッシャーがないと動けない
時間の見積もりを誤っている
緊急性がないと重要性を感じない
2. 均等分配パターン(Even distribution)
特徴:課題を複数の小さな部分に分けて、定期的に少しずつ取り組む
例:毎週少しずつ実験に参加し、学期全体に均等に分布させる
可能性のある理由:
時間管理が得意
ストレスを避けたい
一度に大きなタスクに取り組むのが苦手
3. 即時完了パターン(Immediate completion)
特徴:課題をすぐに始め、早めに終わらせる
例:学期の初めに必要な実験参加時間をすべて終わらせる
可能性のある理由:
先の不確実性を避けたい
課題を抱えているのが苦手
達成感を早く得たい
4. 中断・放棄パターン(Abandonment)
特徴:課題を始めるものの、途中で中断したり放棄したりする
例:実験参加を始めるが、必要時間を満たす前に参加をやめてしまう
可能性のある理由:
自信の欠如
予想以上に難しいと感じる
他の優先事項が出てくる
これらのパターンは、個人によって異なり、また同じ人でも状況によって変わる可能性があります。
研究者のCheboluは、これらのパターンを理解することが、効果的な対策を立てる上で重要だと強調しています。
Q5: この研究から、先延ばしをなくすためのヒントは得られる?
A5: いくつかのヒントが提案されています
10年後の自分は別の自分なので、10年後のために今頑張ることはできない
未来の報酬よりもいまの報酬を重要視する
例:今すぐ手に入る500円と、1週間後に手に入る1000円のどちらかを選ぶとき、多くの人が500円を選ぶ傾向がある
2. 作業に時間制限を設ける
タスクの終わりが明確になり不確実性が減る
不確実性を減らす方法
タスクを小さく分ける
Q6: この研究の一番大切なメッセージは何?
A6: 次の2つかな:
先延ばしは「単なる怠け」ではない
自分の先延ばし傾向を「理解して許す」ことが、改善の第一歩