佐藤雅彦展
テーマ:作り方を作る
https://yokohama.art.museum/news/20250709/
https://www.youtube.com/watch?v=yz0psAHZta8
横浜美術館
2025-09-06 行った
ネタバレあり感想
混雑していて思うように映像が見られないため、2時間半は最低欲しい
https://gyazo.com/5de7a09db55dce8979420f96281491b9
https://gyazo.com/48d5e64c498b7cf2e675d93b9ec60a39
佐藤は表現系の教育を受けていなかったというが、趣味はなかったのだろうか?多分そんなことはないんだと思う。
どの時代も、持たざる者はこのようなことを考える。特出した表現ができないなら、別のフィールドで勝負したい。それは自分で開拓しなければならない。思いついためぼしいものはすでにやられているからだ。
それはいくつかの組み合わせの中に生まれるものだろう。ルールとしては単純なものかもしれないが、表現としてあまり単純なものにはならないだろう。
佐藤は、何かを作る時、作り方から作ることを徹底しているらしい。既存のものに対して20-30代の素人が考えた「作り方を作る」が本当に新しいのかはかなり疑問だが、メタ認知が挟まることで幅が出る効果はありそうだ。
やっていくと、わかる。
展示の流れはこんな感じ
佐藤が電通時代に作ったTVCMを大量に見た上で、最も大事にしていることを予想させる
後から手を変え品を変え、CMに使われていた技法を解説する
CM A,B,Cには共通して技法Xが使われていたということがわかる
技法はトーンとルールという2つの概念に抽象化される
商品名や特徴をわからせる技法。これをルールと呼ぶ
佐藤はこのルールを20個以上持っている
展示では数個のルールのみ解説される
新しい構造で思考をジャンプさせる
ドキュメンタリー・リップシンクロ
最初に見せられたセンチもルールで構成されている
トーンは、風格や雰囲気を伝える。その世界でコンテンツをつくる。(大人向けと説明されていたが、そこ年齢で区切るの適切なのか?と疑問だった)
小さな世界もの
日本橋の煉瓦で1ブロックないところがあり、そこにゴミが置かれていたのをみた佐藤は、それを可愛いと思ったことから生まれたミニチュアの世界を構築するという技法
どんな世界をつくったらのぞきたくなるのか?を考え小さな世界に収める
この抽象化はすっきりしすぎていてもやもやした基素.icon
全部のルールがわかったらスッキリするかも
企業ノベルティはあまり提案しないのが広告業界らしいが、佐藤は長く使える定番もの(茶碗、鞄)を提案した(企業の価値が出るだろう)
佐藤のTV CMをみせられて、ざっくりこんなことを思った
どれもちゃんと商品の特徴説明が入っている=明確な広告
印象に残るような言葉が繰り返し使われている。
商品名をリズムよく繰り返す
モルツ・モルツ・モルツ・モルツ モルツ CM
ポリンキー・ポリンキー・三角形の秘密はね ポリンキー CM
ドンタコスったらドンタコス ドンタコス CM
スコーン・スコーン・コイケヤ・スコーン コイケヤ スコーンCM
夏だ!夏だ!夏だ!夏だ!アイスだ!アイスだ!アイスだ!アイスだ!ミロ!ミロ・オレ!ミロ!ミロ・オレ! ネッスル ミロ CM
バザールでござーる バザールでござーる NECのお店に行くでござーる NEC バザールでござーる CM
ジャンジャカジャーンのような効果を言う
JR東日本 ジャンジャカジャーン CM
替え歌?をする、
外国人が話す日本語
...このような繰り返しはすり込むCMとして有効だろう。新宿とかでも宣伝の車でこういうのよくある。バニラ高収入みたいなの。
ただ、全部同じようなものというわけではない。似たようなものや連作はあるものの、明確な共通点はさほどないように思えた
面白おかしな要素がある
一番気に入ったのはジャガッツ CM
母親に抱かれ、まだ話せない幼児が私の服をずっと引っ張っていた。かわいいね。
展示より子供の方に興味がある父親がCMを見ずに子供の写真を撮っていた
おばさまの集団がCMを懐かしがって蘊蓄を垂れていたのを聞いて周辺情報をget
で、次のシアターで答え合わせ。音から作り、映像は全くの後付けというものだった。納得。
「きてる音」を作ることが大事
音から作ると構造を作りやすく、また時間管理も行いやすい(TV CMは厳密に15秒、30秒で作らなければならない)
CMで売り上げが伸びた!みたいな実績発表も何回かあったが、それどうやって計測したの?と思った
https://gyazo.com/876e5e977b9f3f44cb0a75c091429ecc
壁にこのような解説があるが詳しい解説は特にないので、わかったとは言えない
https://gyazo.com/cd9346a93180c418a1c51bfbb37cd5ff
このうちトーンについては自分の想像以上に人生が動いたらしい
https://gyazo.com/5d7308a33ed8a9c5d5c443a356fc2c53
I.Q.は佐藤の持ち込み企画
で、トーンとルールがだんご三兄弟で結実するらしい。その動画の展示が、展示前半最後にある。上映時間は15分。
混雑していて時間がかかりそうだったのと、閉館30分前になってしまったので飛ばして後半のブースを見て回ったので、この内容を知らないのが心残りだ。一体何があったのか?
黒板に画像が投影される凝ったブースだった
https://gyazo.com/da29a35c6c7b129ccec8e6115bfe5afe
やり方を抽象化して考えているので、こういうこともできるんだぞという例
写真だと分かりづらいが、これは大きい中釣り広告。新聞の連載小説というフォーマットを中釣り広告でやっている
実際のピタゴラ装置が置いてあった。元々海外で買い集めていた佐藤の私物で構成されているらしい。
ずいぶんたくさんものが置ける場所があるのだなと思った。
後半の展示は大学教育の実践の展示が多かった。矢野健太郎のテキストから思いついた立体視を学生に作らせてみたものでおそらくできがよかったものが並んでいたり。
ユーフラテスって佐藤研卒業生の集まりだったのか
https://gyazo.com/49e5dfbbc34f7a495b4494ee970d226a
電球の工場の加工プロセス。宝物で、学生に見せているらしい。
加工のプロセス自体が面白いということでそれを抽象化した展示がされていた。
THE MAKING面白いもんなー
作るを作るは非常に工学的。英語だとDesign Engineeringなどになるのかな?
https://gyazo.com/5632e5210aebd7d2e0c28df3789f1578
出口のポリンキー
https://gyazo.com/b34b94edda5e3983be3674a529525907
潜り抜けることで指定された数字になるようにするという遊び場(計算の庭)
最短は4回らしい
https://gyazo.com/1d0cd8a0839b9eaab1bf671a77b02468
計算の庭の状態遷移図
美術館を出たらすっかり夕方だった。美術館前の芝生の上に親子連れやカップルが寝転がっている。
青空上映会があるらしい。演目はなんと秒速5センチメートル。親子連れで見るの?じゃあついでに言の葉の庭も見てくれよな。