ユーフラテス川
旧約聖書にある「エデンの園」の地ともいわれるが、気候変動による降雨量の減少に加え、湿地に注ぐユーフラテス川の水量が減ったことが大きな原因という。 両河川の水量に影響を与えているのが、上流国トルコに建設された水力発電用のダムだ。トルコ政府は両河川の上流地域に、ダム22基と17の発電所を建設する「南東アナトリア計画」を推進。ダムは順次完成し、2019年にはチグリス川上流にできた同国最大のイリスダムが貯水を開始した。 イラク国内を流れる両河川の水位は目に見えて減少し、イラクのマハディ水資源相は今年7月、トルコ側に「ダムから放出される水量の再検討」を要請した。水資源省の報告書では、現状のまま対策を取らなければ、両河川は40年までに干上がるとしている。