バッテリー
バッテリーのコスト低下がとんでもないレベルに達している。文字通り「前例のない」速度で下がり続けており、再エネの弱点だった「間欠性問題」(太陽は夜出ない、風は止まる)を実質的に解消しつつある。
カリフォルニアを例に挙げると、昼間に太陽光で大量発電→余剰分をバッテリーに蓄電→日没後にバッテリーから放電、というサイクルが現実に回っており、住民はその切り替えすら気づかない。
バッテリーの体積エネルギー密度(同じ体積にどれだけ電気を詰め込めるか)も劇的に向上。かつてガソリンの「エネルギー密度の高さ」は内燃機関の圧倒的な優位点だったが、それも今や過去の話になりつつある。米国外ではEVへの移行が着実に進行中。
この進歩が「科学的ブレークスルー」由来でないのがポイント。リチウムイオン電池自体は数十年前からある枯れた技術で、地道な「学習効果」の積み重ねによるもの。つまり使えば使うほどコストが下がり、コストが下がればさらに普及する、という好循環が続いており、終わりが見えない。 太陽光パネル・風力タービン・バッテリーはまったく異なる技術なのに、三者揃って革命的な改善を遂げている事実は、再エネ産業全体が「規模拡大→コスト低下→さらなる普及」というバーチュアスサイクルに乗っている証拠と見ていい。
この好循環の主役は中国(および欧州の一部)であり、アメリカはすでに周辺プレイヤーに成り下がっている。逆に言えば、トランプが再エネをいくら叩いても、世界全体の流れをほとんど止められない。アメリカが自らさらに遅れをとるだけの話だ。
短期的には深刻なエネルギー危機がまだ続くだろうが、より安く、よりクリーンなエネルギーの未来は確実に近づいている——トランプですらそれは止められない、というのが結論。