ハマス
戦闘員2万人ぐらい
イスラエルの破壊と、その後のイスラム国家の樹立を、目標に掲げている 教義上は、イスラエルの排除まで聖戦(ジハード)を続けることになる一方、それが非現実的であることはハマスも自覚している。
イスラムの考えでは、イスラエルも含むパレスチナ全土は神にささげられた寄進地(ワクフ)であり、人為的な割譲は許されない。
さらにイスラム世界を意味する「イスラムの家」に異教徒(この場合、ユダヤ教徒)が侵攻すれば、その防衛はイスラム教徒の義務と定められている。
ハマスの創設者で2004年にイスラエルに殺害されたアハマド・ヤシン師は生前、筆者に「イスラエルが(国際法に反して占領中の)東エルサレム、ヨルダン川西岸、ガザから撤退すれば、期限付き休戦(ホドナ)は結べる」と語った。ホドナの再締結に制限はなく、共存は事実上、可能となる。ただ、イスラエル国家の生存権は認めない。 ハマスは1987年に発生した占領地の第1次インティファーダ(反イスラエル民衆蜂起)を機に結成された。母体になったのは、汎アラブのイスラム主義組織「ムスリム同胞団」のパレスチナ支部で、その歴史はPLOよりも古い。
アラビア語の「熱情」という単語と同綴同音になる。
民族主義や社会主義系の政治党派が加わる非宗教的なPLOに比べ、ハマスはイスラム(スンニ派)主義を掲げる... イスラム主義では穏健派と見なさてている
イスラム過激派の国境を無視した活動に対し、ハマスはパレスチナに活動を限定し、エジプトの旧「ジハード団」のように自国の為政者打倒も掲げていない。
民主化運動「アラブの春」直後にはエジプトやチュニジアでも第1党として連立政権を担った。
ISのように市民を背教者宣告し、殺害するような偏執ぶりもない。 ハマスは従来、ガザでIS系の過激派が台頭することを抑止してきた。ハマスが弱体化すれば「パンドラの箱」が開きかねない。
2006年 PLOの腐敗で第一党になった
人道危機に陥っているガザの現状も、ハマスにとっては「想定内」だろう。
ただ、根本原因がイスラエルの無法な占領や入植地建設、パレスチナ人差別にあるため、住民がハマスの「正義の抵抗」への批判を口にするのは難しい。