テキサス州
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https://youtu.be/VL1pAUQlpS4?si=W8R-4BRQas5-DKol
2026-05-27 テキサス上院選はヘルスケアの国民投票になる
テキサス共和党は、たまに筋を通しちまうのが玉に瑕だった現職コーニンをぶっちぎりで蹴り落として、スキャンダルまみれの州司法長官ケン・パクストンを選んだ。トランプがコイツを推した理由は、まさにその腐りっぷり。腐ってるからこそトランプに頭が上がらず、忠犬として使い回せるという寸法だ。
民主党にとっては願ったり叶ったりで、コーニンの議席を獲るチャンスかもしれない。とはいえパクストンが公職に就く資格ゼロの人物だってのに、対抗馬のJames Talaricoとの一騎打ちはテキサス政治通から見ても互角という、なんとも残念な情勢。
で、この選挙、結局のところ何が争点なのか。テキサス人が候補者個人のロクでもなさをどこまで大目に見るかという話の他に、要するにヘルスケアをめぐる国民投票になる、というのが本記事の主張。
テキサスの医療政策は赤い州の中でも飛び抜けて残酷。オバマケアのメディケイド拡大を拒否、つまり「ほぼタダで何十万人もに医療を提供でき、しかも州経済にカネが落ちてくる連邦資金」を蹴っ飛ばした。「政府依存を防ぐため」とか言ってるけど、要は低所得層を絶望させて従順にしておきたいだけ。
同じ衝動はメチャクチャ逆進的な税制にも表れている。テキサスは低税率の州だと自称しているが、低税率なのは金持ちだけで、中間層・労働者層には重く、貧困層・準貧困層には超重い。
メディケイド拡大を拒否した州の中でもテキサスのプログラムはとびきり過酷で、子なしの大人は所得問わず対象外、親も連邦貧困線の13%(四人家族で年収3900ドル未満)を切らないと対象にならない、というほぼ事実上の門前払い状態。
結果、テキサスは全米で最も医療保険カバー率が悪い州になっており、ACAの恩恵もここだけスルー。子どもの無保険率13.7%は全米平均5.9%、ニューヨーク2.5%と比べてもひどい。
無保険率の高さ、貧弱なセーフティネット、最近じゃワクチン拒否の流行が重なって、テキサスの平均寿命は1980年頃にはニューヨークとほぼ同じだったのが、いまや3年近く短くなっている。
寿命差の一部は暴力による死亡。法と秩序を口先で叫ぶ州のわりに、テキサスの大都市はニューヨークなんかの青い州の大都市よりずっと犯罪率が高いというオチ付き。
選挙の構図はMAGAと新しい民主党の典型的な対決で、パクストンはACA潰しの訴訟を繰り返し起こしてきた「医療を奪う先兵」、対するタラリコは「医療は人権」と言い切り、全米民メディケア加入を提唱している。
というわけで、テキサス上院選は腐敗と人格の問題でもあるけど、同時に「テキサス州民は自分たちの州の組織的な残酷さを是とするのか」という選択でもある、というのが結論。
2026-03-05 Dreaming of a Blue Texas
テキサスの民主党ドリームは何十年も打ち砕かれ続けてきた。 LBJやアン・リチャーズを生んだ州なのに、30年以上も州全体の選挙で民主党は勝てていない。にもかかわらず、2026年11月の上院選挙でJames Talaricoという新顔民主党候補が勝ち上がり、また例の「テキサスを青くしよう」という夢が再燃している。
Sonnet 4.6.icon2026年3月3日(火)のテキサス州予備選挙
テキサス州上院議員選挙(現職共和党のジョン・コーニン議席)の民主党予備選で、州議会議員のジェームズ・タラリコが、全国的に知名度の高い連邦下院議員ジャスミン・クロケットを僅差で下して民主党候補に決まりました。タラリコはわずか半年前まで無名に近い存在でしたが、聖書を引用しながら共和党強い地盤にも乗り込んで遊説するスタイルで支持を広げました。
共和党側も波乱:共和党側は現職コーニン上院議員とトランプ系のケン・パクストン司法長官が5月の決選投票に進むことになりました。パクストンは汚職疑惑(弾劾裁判で無罪)や不倫疑惑を抱えていますが、MAGAベースには人気があります。コーニンにとっては「テキサス史上再選できなかった初の共和党上院議員」になりかねない厳しい戦いです。
「テキサスの経済成長→富裕化→民主党支持」という期待があるが、話はそんなに単純じゃない。 豊かな州が民主党寄りになる傾向はあるが、テキサスの成長がどういう種類の成長かをちゃんと見ないといけない。
テキサスの成長の正体は「低規制・低コスト」による人口流入であって、生産性向上じゃない。 低税率のおかげ? 違う。その話は何度も検証されて、そのたびに外れている。テキサスの強みは「とにかく建物を建てさせる」規制の少なさで、ニューヨークより住宅が85%安い。おかげで人が集まり、企業も来る。
「広がる経済」(extensive growth)であって「深まる経済」(intensive growth)ではない。 人も仕事も増えているが、一人当たり所得ではカリフォルニアに対して追いついていない。テキサスは大きくはなっているが、相対的に豊かにはなっていない。つまり、マサチューセッツやカリフォルニア的な「高所得・青い州」にはなっていない。
州の政治色を左右する本当の要因は所得じゃなく学歴だ。 大卒率と2024年選挙結果の相関は驚くほど強い。テキサスの大卒率は赤い州と青い州のちょうど中間あたりで、政治傾向もその通り。オースティンがシリコンバレーに対抗する技術都市になるとか言われてたが、あれはほとんど立ち消えた。
とはいえ、変化の種はある。 ヒューストンとダラスという世界レベルの大都市圏が育ち、テキサスは文化的・職業的に洗練されてきた。同じ構図のジョージア州がアトランタを持ち「スウィング・ステート」化したのは参考になる。
ラテン系有権者は読めない変数だ。 2024年はトランプに55%が投票する(2020年比+13ポイント)という大きなシフトがあったが、「ラテン系は共和党に鞍替えした」という宣言は的外れだった。その後の選挙・世論調査ではラテン系の民主党回帰が鮮明で、トランプ政権の移民への露骨な敵意がその流れを加速しそうだ。
テキサスが「青く」なるとしても、経済成長の自動的な帰結としてではなく、都市化とラテン系有権者の動向が鍵。 ニュージャージーやコロラドにはならないが、ジョージア的なスウィング・ステートにはなれるかもしれない。民主党がそれを実現するには、都市部と非都市部の双方に橋を架けられる候補者が必要だ。