クリエイター向けかかりつけ弁護士
クリエーターの権利が持つパワーは強い。しかしそれをうまく使うには深い知見と技術が必要だ。マンガ家に限らずクリエーターは自身が持つ権利やその前提となる法律について理解を深めるとともに、代理人となる弁護士に依頼し、出版社や放送局といった相手方との折衝にあたってご自身の意向を代弁してもらうのが得策である。権利に基づき法律に則って交渉できるし、何より創作活動に専心する時間を犠牲にせずに済む価値は大きい。
もし作者→出版社→テレビ局(プロデューサー)→脚本家という伝言ゲームがなされたならなおさらだ。作者の意向をどんなに強く出版社に伝えたとしても、それがテレビ局や脚本家まで届く間にトーンダウンしたり変容していくかもしれない。
もし作者と出版社との利害が異なる状況が生じたら、作者の希望がストレートに伝わらない可能性が高まる。作者の意向を出版社に伝える時点で法的な意味を込めた書面にし、さらにテレビ局や脚本家まで間違いなく伝わるよう目を光らせる弁護士がいれば、その存在感は相手方にとっても大きいはずだ。
病気になってから病院に駆け込むより、日頃からかかりつけ医のアドバイスを受けて健康を維持する方が幸せだろう。法律家の存在も同じだ。クリエーターの方々にはぜひ、顧問弁護士を見つけることをご検討いただきたい。各都道府県に弁護士会があり、相談に乗ってくれるはずだ。