キヤノン
1995年、冨士夫氏より3歳年下で、第5代キヤノン社長を務めていた従弟の肇氏(マサチューセッツ工科大学大学院で電子工学を修めた技術者)が社長在職中に亡くなった後、第6代キヤノン社長に就任している。冨士夫氏は社長就任後、キヤノンの財務体質強化、収益性の低い事業の切り捨て、生産性の高いセル生産方式の導入などを実行し、1995年から2006年の社長時代に素晴らしい結果を出すことができた
2007年ごろが絶頂期
世界トップシェアを誇ったデジタルカメラは、スマホに侵食されて売り上げが落ち込み、プリンターの販売も低迷した。
半導体製造装置ではASMLに完敗した。
家庭用ビデオカメラ市場からは撤退に追い込まれた
同社は2023年3月の株主総会で、御手洗冨士夫会長兼社長CEO(最高経営責任者)の取締役再任議案の賛成率が50.59%まで悪化した。国内の運用会社が後に開示した議決権行使結果では、反対理由に取締役会のジェンダー平等や多様性が挙げられた。
一昨年5月、米石油メジャー、エクソンモービルの株主総会でアクティビストのエンジン・ナンバーワンが委任状争奪戦に勝利、取締役3人を送り込むことに成功した。
「気候変動に対して情報開示や取り組みが積極的でない」とエンジン・ナンバーワンは主張した。これに多くの機関投資家が賛同したから委任状争奪戦に勝利したのだが、このActivist fundが保有していたエクソン株はわずか0・02%。このため「0・02%の衝撃」と言われた。