ガイナックス
2024年5月29日 破産
僕がガイナックス以外で『エヴァンゲリオン』を作ることは、「エヴァは庵野のものだから」と、即座に認められました。『エヴァンゲリオン』の原作者が僕であることも明確にし、商品化ロイヤリティーの収益配分を受けられることも話し合いで決めています。
『エヴァ』の版権管理と商品化窓口はそのままガイナックスに残しました。
当時のスタジオカラーでは人手不足でしたし、当時のガイナックスの版権担当者は作品のことを良くわかってくれていました。ガイナックスにも相応なロイヤリティー配分と手数料が入るので、お互いウィンウィンで良いだろうと考えてのことです。 監督をした『トップをねらえ!』や『ふしぎの海のナディア』では印税も配分も認められておらず、ガイナックス以外の制作会社で監督した『ラブ&ポップ』のロイヤリティーは、今でもガイナックスに入っています。 ガイナックスにあずけていた『エヴァンゲリオン』の商品化窓口やロイヤリティーの分配の業務の移譲を1年前倒しにすることを条件としました。
もともと段階的にカラーに戻すことになっていたのですが、ガイナックス側の希望で先送りにしていた案件です。
その条件以外は、計画通り返済されれば無利子・無担保での融資としました。
聖人か?
2014年
カラーの主要スタッフに関わりの大きい『トップをねらえ!』『トップをねらえ2!』『フリクリ』の原作権の買い取りも山賀社長(当時)と武田取締役(武田康廣)に申し出ていました その状況下のガイナックスでは新作の制作は困難でしょうし、作品の将来も考えてのことです。
当初は山賀社長( 山賀博之)も喜んでその話を進め、買取条件も固まりかけていたのですが、ある日突然、当初の6倍になる高額の買取価格を提示されました。 2015年に3作品とも僕らの知らぬ間に他の会社に権利が売却されていました。
その年の5月にガイナックスに銀行が介入し、大規模な人員整理を行ったという話も聞いていましたから、彼らは何よりお金が必要で、より高い額で買う会社へ売り込んだのでしょう。
2014年5月 「米子ガイナックス」が鳥取県に設立
2016年4月 「株式会社GAINAX WEST」が兵庫県
GAINAX WESTに取締役として入っていた人物が、2017年に自身がプロデュースした神戸市のアニメ関連施設で問題を起こし、取引先や行政に多大な迷惑をかけた揚げ句、入居していたそのアニメ関連施設自体が閉鎖となったそうです。ガイナックスの名を使って活動し、このような事態を起こす人物を引き寄せていたのは当時のガイナックス関係者ですが、問題発覚と同時に無関係を主張していました。
2014年11月 「株式会社福島ガイナックス(現・株式会社ガイナ)」設立
同社は当初ガイナックスの完全子会社でしたが、いつの間にか浅尾(芳宣)社長に全ての株が譲渡され、資本関係が解消された別会社となっていました。
しかし、福島ガイナックスはことあるごとに、周囲の人には『エヴァ』と関係があるかのようにみえる振る舞いをしていました。
2016年7月 「株式会社ガイナックス新潟」が新潟県
2016年9月30日 ガイナックスのアニメーション制作部門のスタッフが全員解雇。その直後に設立された「福島ガイナックス東京スタジオ」(現スタジオガイナ)に移籍
2016年11月 「ガイナックス京都」設立(京都府)
ガイナックス身売りの噂
ガイナックス買い取りを考えているという外国企業からわれわれのほうに「ガイナックスを買収したら庵野監督が映画を作ってくれるのか?」という問い合わせがありました。
資料が心配になり差し押さえ
貴重な資料の散逸を防ぐことを最大の目的とした、会社の債権の仮差し押さえの申し立てを2016年8月1日に行い、8月26日に執行されます。当時のガイナックス経営陣から何ら具体的な説明も、山賀社長(当時)からの連絡もない状況が続き、やむを得ずの判断でした。
その後、仮差し押さえの執行後も当社債権にかかわる返済計画などが示されることはなく、ガイナックスに預けていた貴重な制作資料や権利がこれ以上散逸するのを防ぐために、やむを得ず、2016年9月9日に、貸金返還請求訴訟を起こしました。 この訴訟も、債権回収のための手段として選んだわけではなく、本件が表ざたにならないようガイナックスに配慮してのことでした。先方の経営陣が連絡をよこし示談に応じれば内々の話し合いで済んでいたことです。しかし、ガイナックスは裁判で争う姿勢を示したことでニュースとなり、全国に知られることとなりました。
2017年6月23日 カラーの全面勝訴
そんな中で、自分たちが深く関わっていた複数の過去作品の重要な資料が大量に、福島ガイナックス(現株式会社ガイナ)に売却されていたことが判明します。
それらの資料は、人と手間と時間とお金をかけてカラーが入手し、作品関係各社の了承を得て、今は「ATAC」(特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構)の管理下で保管しています。
2019年10月 まったく面識のない経歴もよく知らない人物が「ガイナックス」の最大株主として社長になり、12月に刑事事件の被疑者となる
Aさん「声優になるための宣材写真と言われて薄着で撮影されたり、マッサージのためと言われて体を触られたり、シールを乳首に貼られたりしました」
乳首のシールについては、被告人が貼ったのかAさんが自ら貼ったのか双方の意見が割れている部分です。
2020年2月 役員総入れ替え
監査も全とっかえ
監査機能してないもんな
2020年現在の代表取締役社長は神村靖宏。神村は大阪大学在学中「DAICON FILM」に参加しており、NTT入社後、1991年にガイナックスに入社。総務・経理・ゲームの進行管理から異動し版権管理を担当していたが後に退社。 2010年にグラウンドワークス社を立ち上げ、2020年現在もエヴァンゲリオンの版権をカラーから委託され管理しているグラウンドワークス社の代表取締役社長でもある。ガイナックス出身で権利も明るかったことから社長に推されたという。
版権は、グラウンドワークスという会社に委託しています。ここの社長である神村(靖宏代表)は、大学のときから付き合いがあります。彼は、作品を大事にするタイプ。商売優先ではなく、まず、作品ありきなので、安心して任せられています。
KADOKAWA、キングレコード、トリガーから人が入っている