オバマケア
2025-07-05 Health Care: Jonathan Gruber - Paul Krugman
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One Big Beautiful Bill Actは富裕層減税と貧困層の医療剥奪をワンパッケージにして通過させた悪法
その中身は、保険の強制加入廃止、補助金縮小、Medicaid(貧困者向け医療保険)へのアクセス制限、行政手続きの煩雑化など。
結果、保険喪失者は1600万人以上と推定。要は「手続き地獄で脱落させる作戦」。
政策効果の実証:Medicaidは「コスパ最強」だった
自然実験の結果、Medicaid拡大は以下の効果:
死亡率改善(800人に1人の命を救う)
長期的な税収アップで費用回収可能(子供への投資は特に回収率高)
つまり削減は「死者25万人/10年」レベルの殺人予算
なぜ米国は国民皆保険を実現できないのか
障害は三つ
1. 現状は“見えない税”(雇用主が保険料を給与に含めて払ってる)。シングルペイヤーにすると“見える税”に変わり、政治的に不人気。
2. 多くの人が現状維持バイアスで、自分の保険を捨てたくない。
3. 民間保険業界(1.2兆ドル規模)の猛烈なロビイングがある。国家は勝てない。
「シングルペイヤーは幻想。議論するだけムダ」
3. オバマケア三本足スツール理論
医療保険改革は三本柱(差別禁止、加入義務、補助金)でバランス取ってた。
トランプが加入義務(罰則)を撤廃したが、思ったよりシステムは持ちこたえた。
とはいえ保険喪失者数百万人、保険料上昇などダメージあり。
バイデン政権は加入補助金を増やしてカバー拡大に成功。だがそれも今回の法案で撤廃へ。
Medicaid攻撃の巧妙さ:貧困層を「手続き」で殺す
これで「支給対象者を減らしてない」と言うが、半年ごとの再申請義務や証明書類要求などで制度のハードルを爆上げ
昔の「ポール税」的な、見かけ上中立な嫌がらせ制度
結果、メディケイド必要層(低所得、英語非ネイティブ、精神疾患持ちなど)が大量に脱落
財源カラクリ潰しと高齢者・障害者への波及
州は「プロバイダ税」(病院から余分に取って、それを連邦がマッチング)という手口でMedicaid財源を水増ししていた。
新法ではこれを制限 → 州の財政が厳しくなり、老人ホーム・訪問介護の削減へ。
つまり貧困層だけでなく「うちのママ」まで被弾。
民間の支援でどこまで対抗できるか?
市民団体・州政府・個人が「保険申請のサポート」をすれば多少は防げる。
でも「半年ごとに全員にサポート」は現実的ではない。
デジタル行政システムが古い。COBOLで動いてるところも未だにある
ワクチンと公衆衛生:RFK Jr.体制の危険性
反ワクチン陰謀論者ロバート・ケネディ・ジュニアが保健政策を握ることで、感染症データ消滅・研究縮小・接種義務消滅の三重苦。
次のパンデミックが来たら「無防備な米国」になる可能性あり。
科学研究予算削減:アメリカ沈没の序章
NIH(国立衛生研究所)などの科学研究予算が最大50%カットの恐れ。
公共科学投資のリターンは超高(年率50%説も)。GPSもワクチンも全部これの成果。
中国に科学力で追い抜かれる未来が現実に。
グルーバー「これは30年で最悪の法案。だがここで目を覚ませば再生のチャンスもある」
「オバマケアを守り、科学と行政を支えるのは、投票と市民活動にかかっている」