がん
筆者は発病時も現在も満64歳で、証券会社の社員であり、東京証券業健康保険組合に加入している。民間保険会社のがん保険には一切入っていなかった。さて、筆者の癌に治療費はいくらかかったのだろうか?
病院の選択に当たっては、個室代などの価格を全く気にしていなかった。病院の症例数や執刀してくれる医師の経験や評判などで決定した。
改めて計算してみて、そもそものわが国の健康保険制度および健康保険組合(筆者の場合は東京証券業健康保険組合)の付加的な給付制度が、こんなに手厚いものなのかと感心する。
「治療費が足りなくなる心配」だという理由からがん保険に加入する必要性はない場合が多いだろう。
証券会社のサラリーマンである筆者の場合、どうしても必要な医療費支出は煎じ詰めると十数万円だった。本人の収入によって負担額が変わるが、国民健康保険の高額療養費制度までが負担の上限額になるフリーランスの場合も、筆者程度の癌にかかった場合の負担額は数十万円の単位だろう。
読者は何らかの健康保険に加入しているに違いない。ならば、少々余裕を見るとして自由になる預金が200万円か300万円くらいあれば、入院の条件などをその都度考えるとして、健康保険が適用される標準的な治療を行う限り、がん保険に入っていなければ癌の治療費が払えないという事態はまずないだろう。