TOPIXより優れた日本株の長期投資向けindex
TOPIXには流動性の低い銘柄が結構あるので500株ぐらいのindexがあると良いと山崎元は言っている 「運用のため」という観点から評価するとTOPIXがベストな株価指数であるとはたぶん言えない。
インデックスファンドに関しては、長期的資産形成のための運用に特化した株価指数を運用会社が自ら作って、インデックスファンドを商品化するといい。幾つか必要な工夫があるが、十分可能なはずだ。
運用会社の自家製インデックスは長期投資用の指数なので、毎日1回だけ値を計算することで十分だ。ただし、投資家にインデックス自体の長期的な性質や、これをターゲットとした運用のパフォーマンスなどを見てもらう上では、インデックス自体の計算データを長期的に公開すべきだろう。
ターゲット・インデックスとしての評価は、主に、ポートフォリオとしての分散投資の状態によるが、筆者は、時価総額ベース、ないしは現在の世界のインデックスの主流である「浮動株調整済みの時価総額ベース」がベストだとは思っていない。
また、インデックス運用のターゲットとしては、当該指数の銘柄入れ替えやウェイト変更に関連して、先物やオプション取引の対象(同時に裁定取引の対象になる)になっているか、及び、当該指数で運用されているインデックス運用の資金がどれくらいあるかが問題になる。
同じインデックスによるインデックス運用資金があまりに大きかったり、先物やオプションの裁定取引で頻繁にトレードされたりすることは、インデックス運用のターゲット指数としては、メリットであるよりは注意を要するポイントだ。
個人的に興味を持っているのは、人間が構成銘柄やウェイトを変化させる「運用判断付きのインデックス」だ。何らかの運用哲学と運用ルール(特に回転率の上限)の下に、運用にとって望ましいと思われるポートフォリオをインデックス化して、これに対するインデックス・ファンドやETFが生まれると投資家にとって面白い。