ProCam
Projector-Cameraシステム
映像投影を想定していない室内空間にプロジェクタを持ち込み, とりあえず映像を投影してみると, まずは映像に大きな歪みが生じることを感じることになる. そして, 室内本来の構成物やその模様などの様子が、 映像と混ざり合ったように観察され、本来の映像が大変見づらい状況にあると感じる.
また, より広い範囲に映像を投影するために, 複数台のプロジェクタを導入する際には,個々のプロジェクタにおいて固有の歪みや色変化が確認され,これらを協調させて適切な見え方を実現することは, 非常に困難な作業となるだろう.
このような歪みや色変化は当然のことであり,これらをどのように補正するかが課題となる.
歪みや色変化は, カメラを用いて観測可能であるため, プロジェクタにカメラを組み合わせ, カメラによる観測結果を, 投影する映像にフィードバックすることのできる Projector-Camera システム (ProCam システム)という構成が、広く使われている.
これは, 映像を出力するだけのプロジェクタに, 外界を観察可能な目を与えることであり, シンプルではあるが, ProCam システム自身によって歪みや色変化を計測し, それをフィードバックして補正可能になることから, 極めて強力な構成であるといえる.
しかし, この ProCam システムを構築する上で,考慮しなければいけない事項がいくつか存在する.