DSC
Display Stream Compression
DSCはVESAで規格化された,非可逆(lossy,ロッシー)の映像信号圧縮技術である。 DisplayPortやHDMIという技術にとって,「互換性の維持」と「さらなる高速伝送」という両命題を解決するためには,もはやDSCに頼らざるを得なくなるところまで来てしまった...
圧縮率はフレーム相関圧縮の「数十分の1から数百分の1」と比べれば圧倒的に低く,最大でも3分の1程度に留まる。要するにDSCは,「低遅延重視」かつ「低圧縮率」な非可逆リアルタイム圧縮法なのだ。
DSCで圧縮対象とするのは1ライン(走査線)分であって,直前の1ラインとの差分を取るので,必要なのは過去に伝送されてきたラインをバッファリングすることだけだ。
いわゆるMPEG系圧縮のようなフレーム相関圧縮ではなく,ライン相関圧縮に留まるため,遅延は無視できるレベルで,問題ないとされる。 DisplayPort 1.4の場合,DisplayPort 1.4で対応可能な25.92Gbpsを超えるレベルの帯域幅が必要になるときに使われる。
RGB 888の24bitカラーで8K解像度の60fps伝送を行う場合は49.65Gbpsが必要になるため,これをDisplayPort 1.4で行うときにはDSCの活用が必須となる 検算してみる
7680*4320*24*60bps
47.7Gbps
VESA Display Compression for Mobile
VESAが規定したモバイルプラットフォーム向け映像圧縮技術
1.1はバージョン番号で,2019年1月時点の最新版に相当する。
次世代DisplayPort技術に採用となった暁には,最終的な名称が「DSC 1.x」――1.2aまで規定されているので1.3か?――になる可能性もある。
アルゴリズム的にはDSCとよく似たものである。
最大の相違点は,圧縮対象を2ライン化してあり,過去のライン履歴も多くバッファリングして処理するように,より複雑化,高度化しているところだ。
遅延時間は2ライン分となるはずだが,遅延時間としては依然として無視できるレベルにあるとされており,リアルタイム性はDSCとほぼ同等と考えて構わない。