2026-06-13
2026-06-12←創作日記(2026年6月)→2026-06-14 1週前:2026-06-06 1年前:2025-06-13
Claude Fable 5と一緒に設計ドキュメントを考えたり、バグを追及したりしている
ジャンプアップを感じる進化で、「これはできるのか?」「今までできなかったこれはどうか?」と色々試す価値があると感じる
https://x.com/asahi_shakai/status/2065216636991488406?s=46
多分中間層の崩壊
トランプ政権、国家安全保障を理由にMythos級モデルのアクセス停止命令
2026-06-13 Talking With Azeem Azhar - Paul Krugman
クルーグマンが独立系AI論客アザール(Exponential View主宰)と1年半ぶりに対談。
AIとは何かという素朴な問いに、アザールは大量の人間の文章を神経網に通して人間の思考パターンを写し取ったものだと説明する。最近は強化学習でタスク訓練も加わっているという。
クルーグマンはブラッド・デロング仕込みの「線形代数の巨大な塊」という比喩を持ち出し、SF的な完璧で論理的なAI像とは似ても似つかず、実際は気まぐれでお世辞ばかり言うことすらあるとアザールも同意する。あるバージョンのClaudeがあまりに迎合的で使い物にならず、ChatGPTに戻したというエピソードも披露する。
クルーグマンは自分がエージェントAIをどう使えばいいのか分からないと告白。ツール類はプログラマー文化を前提に作られているので、リサーチ中心の仕事とは相性が悪いというのがアザールの見立て。
アザールは自前のエージェント「R. Mini Arnold」を運用中で、自分の趣味や仕事の文脈を全部覚えさせ、購読しているJSTORの論文まで漁らせて経済史の調べ物をさせているが、数日おきに不調になるほど不安定だとも認める。
クルーグマンは「手作りパスタ問題」を持ち出す。かつて猫も杓子も手打ちパスタ機を買った末に「店で買った方がうまい」と気づいた顛末になぞらえ、結局みんな似たようなことしかしないなら既製のエージェントで十分ではないかと疑問を呈する。
これに対しアザールは、個人事業や中小企業(床屋の例)には業種特化型のエージェントがいずれ出回るはずだが、大企業では社内ルールや他部署との調整が多すぎて、当面は自社開発の方が理にかなうと答える。クルーグマンは「みんなExcelを嫌々使い続けているのと同じ話」と相槌を打つ。
中国のAI事情については、アザールが8日間の訪中取材の結果として、中国の開発者たちも米中対抗意識よりむしろ自国企業同士の競争を強く意識しており、計算資源の制約を前提に効率化文化を磨き上げていると報告する。しかも肝心のコーディングでは中国勢自身がClaude Codeを一番評価しているという。
今後は万能モデルと安価な特化モデルへと市場が二極化していくというのがアザールの見立てで、航空機の座席クラスのように全員がファーストクラスを求めているわけではないと例える。
バブル論では、アザールのチームが集計した米国のAI支出は年換算で約1500億ドル(直近12カ月では900億ドル)で、モバイルやネット普及より速いペースだと紹介される。一方でS&P500時価総額の4割をAI関連銘柄が占めており、この乖離をクルーグマンは懸念材料として突く。
アザールは1900年当時の鉄道株の時価総額比率や、過去120年の米国株リターンの3分の2がわずか30社に集中していたという研究を引き合いに、汎用技術の勃興期にはこうした集中は珍しくないと反論する。ただし資金調達の質という指標は9カ月前より悪化しており、OracleやCoreWeaveの社債リスクにも触れつつ、リーマン危機のような連鎖破綻の兆候ではないと結論づける。
クルーグマンはゴールドラッシュの比喩(儲けたのは金鉱夫でなくジーンズや酒の商売だった話)を持ち出し、実需との整合性を疑う。アザールは、決算で生成AIの定量的成果を語れる企業はS&P500の3割程度にすぎず、大半がまだ試行錯誤の段階にあると認める。
生産性については、ポール・デヴィッドによる電化の歴史研究(旧資本の減価償却と業務プロセスの刷新が進むまで効果が出ないという話)を下敷きに、AIネイティブ企業(MercorやAnthropicなど)の従業員一人当たり収益が数百万〜1000万ドル規模に達している点が、今後の可能性を測る手がかりだとアザールは述べる。
コード生成量の急増が実際のアプリ増加に結びついていないという指摘には、原油の3分の2が廃熱として捨てられるのと同じで、無駄なコードが増えるのは新しい生産手段につきものの現象だとアザールは擁護する。ワープロ普及で本が長くなった例えや、識字層拡大に伴う啓蒙主義時代の混沌になぞらえる場面もある。
最後は余談として、アザールは執筆作業をすべて万年筆の手書きで行い、AIにはパワポやメール処理といった雑務だけを任せていると明かして対談を締める。