10GbEアダプター
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接続方式の違い
Thunderbolt 3は中身がPCI Express x4(帯域32 Gbps)なので、PC内部にNICカードを差すのとほぼ同じ。NICがメモリに直接Direct Memory Access転送でき、OSとCPUは設定だけで済む。  USB4/USB-3.2 Gen2は「USBホストコントローラ→USBプロトコル→NIC」という経路を必ず通る。各パケットをホストコントローラが管理し、CPU割り込みやメモリコピーが増える。 
CPU負荷が増える理由
USBは“ホストが定期的にデバイスをポーリングしてデータ有無を確認→転送”という仕組み。ポーリング中はCPUが待ち受けたり割り込みを処理したりするため負荷が高い。Thunderbolt側はNICが「届いたら勝手にDMA」で済む。 
レイテンシ(遅延)が増える理由
USB層で ①ホストコントローラのキュー ②USBフレーム化/デフレーム化 ③割り込み処理 が挟まる。パケットごとに数十 µs 程度余分にかかることが多い。
ThunderboltはPCIe直結なので①~③が不要。
理論速度上限が下がる理由
USB-3.2 Gen2の物理速度は10 Gbps。エンコード誤り訂正(128b/132b)で約3 %失われ、USBパケットヘッダやフロー制御でさらに数%減る。残りはおおよそ9.2〜9.5 Gbps。10 GbE(実効9.41 Gbps相当)をギリギリで張り付かせる格好になり、CPUが忙しいと転送レートが頭打ちになりやすい。
Thunderbolt 3のリンクは最大40 Gbps(PCIe帯域32 Gbps相当)あるため10 GbE程度では帯域に余裕が大きく、CPU負荷が跳ねてもスループットが落ちにくい。 
どんなときに差が表れるか
大容量ファイルを単発で送るだけなら両者とも約1 GB/s前後に達する。
小さなパケットが多数流れるワークロード(NAS越しのデータベース、iSCSI、オンラインゲーム)や、同時に複数ストリームを流す場合はUSB方式の方が先にCPU・レイテンシの壁にぶつかりやすい。
モバイルPCなどThunderboltポートがない/空いていない環境ではUSB版が便利。性能優先ならThunderbolt版が安全