106万円の壁(廃止)
廃止決定
この改正が実行されても、週20時間の労働時間の要件は残ります。現在の最低賃金は全国平均で1,055円ですが、この時給で週20時間働いた場合、概ね既存の「106万円の壁」に到達します。最低賃金が全国平均に満たない地域も、ごく近い将来にこの水準に到達すると思われます。 本来、ここで同時に議論しなければならないのは、第3号被保険者制度の存在です。第3号という、個人の保険料負担抜きで基礎年金給付を得る手段があることによって、扶養の範囲内で働くことのお得感が生じています。ここにメスを入れられるかが、問題の核心になります。 中北浩爾 政治学者/中央大学法学部教授
第3号被保険者制度は、会社員らに扶養される配偶者が年金保険料を納めなくても基礎年金を受け取れるのであって、明らかにサラリーマンの専業主婦を優遇する制度。
共働き家庭やシングルマザーなどは、いくら家事労働をしても、年金保険料を納めなくてはいけません。
第3号被保険者制度を廃止するとしても、いきなり廃止するという必要はありません。連合の案でも移行措置が打ち出されています