10000時間の法則は単純すぎる
10000時間の法則
「平均レベルよりも優れた能力を身につけるために必要な時間」
2008年にMalcom Gradwellが著書Outliersで発表して人口に膾炙した
例文:「プロになるためには10000時間ぐらいかかる」
1万時間の法則は嘘? スキル習得に学習時間は関係ない | ライフハッカー[日本版]
マルコム・グラッドウェル氏は、アンダース・エリクソン氏の研究をベースにこの本を書きました。ある分野を極めた複数の「天才」を対象に、彼らが天才になるに至った理由を考察するという内容です。
グラッドウェル氏は、慎重に選ばれたこれらの天才たちに共通するのは、その分野における練習時間の総量であると考えました。
論拠となっているのはK. Anders Ericsson(心理学者。フロリダ州立大学)の論文。彼の主張を見ていこう
Ericssonの主張は "deliberate practice" というらしい
how you practice matters far more than how much time you spend practicing.
Want To Become An Expert At Something? Try Deliberate Practice
Ericssonは、"anyone who has accumulated sufficient number of hours of practice in a given domain will automatically become an expert and a champion"とは主張していないと言っている
Training history, deliberate practice and elite sports performance: an analysis in response to Tucker and Collins review—what makes champions? | British Journal of Sports Medicine
現時点において優秀なパフォーマーの遺伝的な影響がわかっていないことと、全くないという証拠があることは全然違う
遺伝的影響があることがあることもわかっている。優秀なアスリートは身長が普通の人より高いか低い。これは遺伝的なもの。
エリクソン教授は別の研究において、非常に具体的でよく考えられた練習方法を用いれば、「非常に高いレベルの専門性を身につけるまでに必要な時間は1万時間よりもずっと少ない」とも述べています。
さらに、ジャーナル「Intelligence」に投稿された別の論文では、チェスおよび音楽において、練習がパフォーマンスに寄与するのはわずか3分の1であると示されています。
また、この分野で最大のメタ分析からは、練習は習熟の12%にしか寄与しないことがわかりました。
Blow to 10,000-hour rule as study finds practice doesn't always make perfect | Science | The Guardian