メチルアルコールで失明
蟻酸がメタノール中毒の原因物質
視神経毒性が現れる
アニオンギャップが開大する代謝性アシドーシスが起こってきます
網膜にはビタミンA(レチノール)をレチナールに酸化するためのアルコールデヒドロゲナーゼが豊富に存在しており,メタノールを飲んだ場合には網膜でホルムアルデヒド,蟻酸が大量につくられるためです. メタノールを飲むと肝臓だけでなくアルコールデヒドロゲナーゼがある網膜でも分解されるが、このとき網膜では最終的に蟻酸まで代謝される。蟻酸は網膜細胞に毒性があるので失明リスクがある
ふつうの酒(エタノール)も網膜でも代謝があるが迅速にアセチルCoAに分解され、無毒なので影響ない
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メタノールが体内に入ると、網膜にあるアルコールデヒドロゲナーゼによって代謝される過程で視覚に影響を与える物質が生成されます。ここでの作用機序は以下のように説明できます。
1. メタノール摂取 - メタノールが体内に入ると、肝臓だけでなく網膜の細胞でもアルコールデヒドロゲナーゼによって分解され始めます。
2. フォルムアルデヒド生成 - 網膜のアルコールデヒドロゲナーゼはメタノールをフォルムアルデヒドに酸化します。フォルムアルデヒドは非常に毒性が高く、細胞にダメージを与えます。
3. 蟻酸生成 - さらに、フォルムアルデヒドはアルデヒドデヒドロゲナーゼによって蟻酸(メタン酸)に変換されます。蟻酸は視神経を含む網膜細胞に対してさらに毒性を示し、視覚障害を引き起こす原因となります。
この一連の代謝過程により、メタノールの摂取は視神経毒性をもたらし、最悪の場合、盲目に至ることがあります。このため、メタノールは非常に危険な毒物とされています。
メタノールが網膜で特に問題を引き起こす理由は、網膜がメタノールを代謝するアルコールデヒドロゲナーゼ(特にADH1クラス)を豊富に含んでいるためです。以下にその理由を簡潔に説明します。
- **アルコールデヒドロゲナーゼの分布**:体内の多くの組織にアルコールデヒドロゲナーゼは存在しますが、特に網膜にはこの酵素が高濃度で存在します。これにより、網膜は体内でメタノールを代謝する主要な場所の一つとなっています。
- **代謝プロセス**:網膜でのアルコールデヒドロゲナーゼの活動により、メタノールは有害なフォルムアルデヒドに変換され、その後蟻酸に代謝されます。この二つの物質は毒性が高く、特に視神経にダメージを与える可能性があります。
- **視神経への影響**:フォルムアルデヒドと蟻酸は神経毒として作用し、網膜や視神経細胞を傷害し、視覚障害を引き起こすことが知られています。
したがって、肝臓ではなく網膜にメタノールが影響を及ぼす主な理由は、網膜内に高濃度で存在するアルコールデヒドロゲナーゼがメタノールを迅速に代謝し、有害な代謝産物が直接視覚に関連する組織で生成されるためです。
通常のお酒(エタノール)も網膜で分解されますが、その影響はメタノールほどではありません。ここでのポイントは、エタノールとメタノールが異なる代謝産物を生じることです。以下にその過程を説明します。
1. **エタノールの代謝**:エタノールはアルコールデヒドロゲナーゼによって初めにアセトアルデヒドに変換されます。この化合物も有害ですが、さらに迅速にアセチルCoAという、より安全な物質に変換されます。
2. **アセトアルデヒドの代謝**:アセトアルデヒドは肝臓で主にアセチルCoAに変換されるため、エタノールの代謝産物は網膜における有害性がメタノールほどではありません。
3. **網膜の影響**:エタノールは網膜に存在するアルコールデヒドロゲナーゼによっても代謝されますが、生成されるアセトアルデヒドは比較的迅速に無毒化されるため、網膜や視神経への直接的な害は少ないとされています。
要するに、通常のお酒(エタノール)は網膜で代謝されますが、その代謝産物はメタノールのそれと比較してはるかに毒性が低く、通常の飲酒量では視神経に害を及ぼすことはほとんどありません。ただし、大量に摂取した場合は一時的な視覚障害や他の健康問題が発生する可能性があります。