Texture of the city|都市で大根をおろす
コンセプト
都市を「質感」として感じ取ることは可能だろうか。
都市開発が進むにつれ、風景はしばしば単調化し、地域ごとの特色が失われる傾向にある。この現象は、都市を単に視覚的な対象として捉えることに起因しているのかもしれない。 例えば、上空から都市の風景を俯瞰した際、それが一種の「テクスチャー」のように感じられることがある。この感覚をもとに、視覚にとどまらず「質感」に焦点を当てることで、都市ごとの差異を浮き彫りにする手法を考案した。
東京23区の3Dデータを元におろし金を制作し、各エリアの大根のおろしやすさによって質感の違いを明確にし、都市構造の差異を可視化する試みである。このメディアを通じ、都市の形状を質感として体感し、各都市の特徴や規則、地域差を直感的に伝えることを目指している。
参考事例
手法
国土交通省が出しているPLATEUという3D都市モデルを用い、都市の形を模したおろし金制作する。 習作1
本作では建物高さだけでなく外観の凹凸が反映されているLOD2の3Dモデルを用いる。
LOD2のモデルが作成されている範囲は限定的で東京は23区しかないので、23区内の主要駅を中心に半径500mを対象とし、3Dプリントで1万分の1の都市モデルを出力した。
しかしながら、FDM方式のプリンタは水平耐力がほとんどないため、強固な素材での制作が必要である。
https://scrapbox.io/files/659ebb501ec6c80023b693db.jpeg
習作2
3Dプリントした1万分の1の都市モデルを元に、シリコンとレジンを用いて、大根おろしに耐えうる都市にする。
https://scrapbox.io/files/659ebb90ed5cb3002353fa4a.JPG