🍰はじめてフルーツサンドなるものを食べた

数年前から地元のスーパー棚に並ぶようになり、気になっていたフルーツサンド。まあ可愛らしい見た目と名前だなと思って気になっていた。フルーツサンド、ああなんて甘美な響き。

気になってはいたが買って食べる程の興味はなく、今まで食べたことがなかった。私は、果物が好きだ。生クリームも好きだ。食パンも好きだ。打つ投げるの二刀流が大谷選手なら、私にとってのフルーツサンドは三拍子、三刀流なわけだ。上手くないわけがない。

そして今日、昼に何を食べようか考えていたところ、意を決してフルーツサンドなるものを食べてみようと思い立ったわけだ。敢えて名前を伏せるが、某コンビニに立ち寄り、可愛らしいフルーツサンドを一つ、ひょいとカゴに入れて意気揚々と買い物をした。ようこそ我が家へ。

さてぺりぺりと袋をあけ、いざフルーツサンドを口のなかに放り込んだ。生クリームと食パンという布団をかぶった果物たち。さぞかし美味な味わいで私を楽しませてくれるのだろ。

パクッ。もぐもぐ。

ふむ。

ふむふむ。

なるほど。

美味くない。

おかしい。何かがおかしい。先述したが、私は果物が好き、生クリームも好き、食パンも好き。大谷翔平を悠に超える存在であるはずのフルーツサンド。まったく美味くない。

私の口の中に入ったのは、果物と生クリームと食パン。そのとおりで、そしてそれだけ、である。それぞれが、本来あるべき味を表現しているだけで、全く噛み合っていない。いわば足し算の料理。美味い料理とはそれぞれの持ち味を互いに引き出し合い、よりうまい味を表現する言わば掛け算なのである。食パンと、生クリームと、果物。それだけ。3つの味が１つになることもなく、それぞれがそれぞれの味を表現しているだけである。

私は段々腹がたってきた。職業教師。部活動の指導もしている身からすると、これはチームじゃない。かつて各チームの4番バッターを札束で叩いて集めた巨人がボロボロに負けたように。良い選手を集めても、チームにならないと持ち味が生かされないのである。

果物が甘酸っぱい味を表現し、生クリームがコクを引き出し、生地が優しく包み込む。例えばケーキであれば、チームになり得ていたはずだ。フルーツサンドはチームじゃない。

誰だこんなものを世に出した奴は。出てこい。私の好きな、大好きなもの達の実力はこんなものではない。本来の彼らはもっと出来るはずだ。こんなもので妥協させるんじゃない。

私の舌を納得させるチームたるフルーツサンド、知っている方がいれば教えてください。