「ちゃんと伝えればわかる」みたいな子育て論が大嫌い
要約;「ちゃんと伝えればわかる」系の子育て論は、人間相手には再現性がなく、通用しないことも多いので信用していない。子供には理解できる適齢期があり、それは個人差があるため、一律の方法論は意味がない。大事なのは「言って、やって見せて、やらせながら見守る」の繰り返しで、特に小さいうちは嘘をつかせない環境を作ることが重要だと思う。
時たま目にする「ちゃんと伝えればわかる」とか「こうにすればうまくいく」みたいな子育て論が大嫌い。「命令文を変えれば正常に動く」という発想は相手がAIの時に通用するものであって、人間相手に通用するものではない。また、同じ人間相手でもその時の感情や状況によって、同じ言葉が通じるとは限らない(人間相手では再現性はない)ので、こういった類の主張は全て嘘だと思っている。
子育てインフルエンサー木下ゆーきみたいな、本人はそのつもりがなくとも周りが「これが良い子育てだ」と主張する例もあるから注意が必要。本人は、自分が楽しくなるような子育てとして、芸人のような子育てをSNSで発信。あくまで当初は「自分が楽しくなるように」だったと思うけど、いつしか「これこそ叱らずにうまくいく子育てだ」みたいな言い方をする人が出てくるから困る。
言い方を変える、とか相手が変わらないからこちらが変わる必要がある、みたいな発想は、うまくいかなった時に自分を責めるようになるから悪い考え方だ。声を大にして言いたいのは、言い方を変えてもうまくいかない時はいかないし、ちゃんと言ったって子供はわからない時はわからない。
「嘘をつくのはいけないんだ。その理由はこうでこうでこうだから」みたいな論理は、それがわかる年齢にならないと意味がない。クドクドと言われても子供も困るだろう。だからと言って嘘をつくことを認めるのはよくない。
肝心なのは「それがわかる適齢期がある」ということ。しかもその適齢期は子供によってバラバラ(なぜかここをメディアやネット発信者は言わない。あれだけ多様性をかざしてくるのに)。その時は意味がわからなくとも後になってその意味がわかる、ということもあるから論理を伝えるのは賛成。だけど、それが理解できるかは別として捉えておく必要はある。
最後に、嘘の例を使って、自分の子育て論を書いておく。「言って、やって見せて、やらせながら見守る」の繰り返しだと思う。とにかくまずは習慣化させる。「躾」というとアレルギーを起こす人もいるようだけど、それがダメな理由がわからない年齢期に、なるべくそれをさせないことが必要だと思っていて、そのためにはダメなものはダメだという姿勢をとることも必要だと思う。嘘をつく子供に対して、「嘘はダメだ」と言う。なんでダメかは伝わらないので、子供は平気で(楽をするために)嘘をつく。だから、嘘をつかせないことが重要。
なるべく「意味がわからない年齢期は嘘をつかせないように気をつける」ことが大事。歯磨きをやらせたいのなら「歯磨きちゃんとやった?」と聞くのではなく、「言って、やって見せて、やらせながら見守る」の繰り返しをする。見ていないと子供はやらない。「やった?」だけでは「やったよ」と嘘をつかせてしまう。そしてその経験が「とりあえず嘘をつけば楽だ」という学習をさせてしまうことになる。それを避ける子育てが必要。