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今日の内容
タンパク質 の 性質
クイズ / 質問 / コメント
必ずアクセスすること!
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タンパク質はアミノ酸でできている
https://gyazo.com/af4c70bfbf9a338907fe62135c4ba596
タンパク質を構成する20種類のアミノ酸
アラニン(Ala)
$ O=C(O)C(N)C
アルギニン(Arg)
$ C(CC(C(=O)O)N)CNC(=N)N
アスパラギン(Asn)
アスパラギン酸(Asp)
$ O=C(O)CC(N)C(=O)O
システイン(Cys)
$ C(C(C(=O)O)N)S
グルタミン(Gln)
$ O=C(N)CCC(N)C(=O)O
グルタミン酸(Glu)
$ C(CC(=O)O)C(C(=O)O)N
グリシン(Gly)
$ C(C(=O)O)N
ヒスチジン(His)
イソロイシン(Ile)
ロイシン(Leu)
リシン(Lys)
$ C(CCN)CC(C(=O)O)N
メチオニン(Met)
$ CSCCC(C(=O)O)N
フェニルアラニン(Phe)
$ c1ccc(cc1)CC@@H(C(=O)O)N プロリン(Pro)
$ OC(=O)C1CCCN1
セリン(Ser)
トレオニン(Thr)
トリプトファン(Trp)
$ c1ccc2c(c1)c(cnH2)CC@@H(C(=O)O)N チロシン(Tyr)
$ NC@@H(Cc1ccc(O)cc1)C(O)=O バリン(Val)
ケモインフォマティクスとは?
データサイエンス(情報科学)を活用し、複数のデータ間の相関関係の解析などから、化合物の物性などを予測できる
https://gyazo.com/a50c1b3f4c18fde0081fa8f30410ba2c
ケモインフォマティクスをお手軽に体験できるツール
https://scrapbox.io/files/674d0ef590579c2478883f7f.png
molinfo で解析できる物理化学的性質
logP
logS
水に対する溶解度
tPSA
HBAc
水素結合アクセプター(Hydrogen Bond Acceptors)の数
HBDo
水素結合ドナー(Hydrogen Bond Donors)の数
RotB
回転できる共有結合(Rotatable Bonds)の数
演習1
タンパク質を構成する20種類のアミノ酸について、ケモインフォマティクスのツール(molinfo)を用いて、それぞれの物理化学的性質(logP, logS, tPSA, HBAc, HBDo, RotB)を解析せよ。解析するアミノ酸は、下記の表をみて、学籍番号の末尾の数字にしたがって、2つ選べ。 table:演習2
末尾の数字 アミノ酸
0 Ala, Arg
1 Asn, Asp
2 Cys, Gln
3 Glu, Gly
4 His, Ile
5 Leu, Lys
6 Met, Phe
7 Pro, Ser
8 Thr, Trp
9 Tyr, Val
演習1の結果
https://scrapbox.io/files/674d218bf938205b2a44d7e0.jpg
table:アミノ酸の物理化学的性質
logP logS tPSA HBAc HBDo RotB
アラニン Ala A
アルギニン Arg R
アスパラギン Asn N
アスパラギン酸 Asp D
システイン Cys C
グルタミン Gln Q
グルタミン酸 Glu E
グリシン Gly G
ヒスチジン His H
イソロイシン Ile I
ロイシン Leu L
リシン Lys K
メチオニン Met M
フェニルアラニン Phe F
プロリン Pro P
セリン Ser S
トレオニン Thr T
トリプトファン Trp W
チロシン Tyr Y
バリン Val V
log P と log S の関係
https://gyazo.com/467f5aeaf98e555cab22942521661cf7
クイズ
次のペプチドのうち、最も水に溶解しにくいものはどれか。アミノ酸の物理化学的性質に基づいて判断し、適切なものを1つ選べ。
タンパク質のフォールディング
ペプチド鎖が折り畳まれて(フォールディングして)、立体構造(三次構造)をつくる
https://gyazo.com/5ba047d34045fe3686f70dc23e478e02
アミノ酸の疎水性スコア
疎水性尺度(hydrophobicity scale)とは、水への溶けにくさを表す指標
疎水性の大きなアミノ酸は、タンパク質の内部に集まる傾向がある
https://gyazo.com/e2f1358849a667afc6d68cd3f590d1c0
疎水性のアミノ酸が内部にあるほど、タンパク質の立体構造は安定となる
タンパク質がフォールディング(折れ畳み)するときの駆動力のひとつになっている
table:疎水性スコア
疎水性スコア
アラニン Ala A 0.31
アルギニン Arg R -1.01
アスパラギン Asn N -0.60
アスパラギン酸 Asp D -0.77
システイン Cys C 1.54
グルタミン Gln Q -0.22
グルタミン酸 Glu E -0.64
グリシン Gly G 0.00
ヒスチジン His H 0.13
イソロイシン Ile I 1.80
ロイシン Leu L 1.70
リシン Lys K -0.99
メチオニン Met M 1.23
フェニルアラニン Phe F 1.79
プロリン Pro P 0.72
セリン Ser S -0.04
トレオニン Thr T 0.26
トリプトファン Trp W 2.25
チロシン Tyr Y 0.96
バリン Val V 1.22
出典
この文献の Table S1 にある Fauche (1983) から
実験結果から決定された値
考察
タンパク質を構成する20種類のアミノ酸について、実験結果に基づく疎水性スコアの値は、ケモインフォマティクスを用いて得られたアミノ酸の物理化学的性質(logP, logS, tPSA, HBAc, HBDo, RotB)に対して、どのような関係があるか。考えを述べよ。
考察のヒント
タンパク質の二次構造
ペプチド鎖は部分的な構造(二次構造)をつくる
https://gyazo.com/a136627a29e530f9aabd142b153ff6b8
アミノ酸のヘリックス形成尺度
アミノ酸のヘリックス構造の取りやすさを示す尺度
値が小さいものほど、より Helix を形成しやすい傾向にある
table:ヘリックス形成尺度
ヘリックス形成尺度
アラニン Ala A 0.00
アルギニン Arg R 0.21
アスパラギン Asn N 0.65
アスパラギン酸 Asp D 0.69
システイン Cys C 0.68
グルタミン Gln Q 0.39
グルタミン酸 Glu E 0.40
グリシン Gly G 1.00
ヒスチジン His H 0.56
イソロイシン Ile I 0.41
ロイシン Leu L 0.21
リシン Lys K 0.26
メチオニン Met M 0.24
フェニルアラニン Phe F 0.54
プロリン Pro P 3.10
セリン Ser S 0.50
トレオニン Thr T 0.66
トリプトファン Trp W 0.49
チロシン Tyr Y 0.53
バリン Val V 0.61
出典
考察
タンパク質を構成する20種類のアミノ酸について、ヘリックス構造の取りやすさは、ケモインフォマティクスを用いて得られたアミノ酸の物理化学的性質(logP, logS, tPSA, HBAc, HBDo, RotB)に対して、どのような関係があるか。考えを述べよ。
考察のヒント