いちばんやさしい教える技術
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教える機会は生活の中でたくさんあるのに、学校や会社で教え方って教えてもらわなかったよね、ということで考え方からテクニックまで体系的に教え方についてまとめた本。
多分新しいバージョン?が出ているのか「世界一わかりやすい教える技術」という本もあるけど、漫画ベースではなくてテキストで読みたかったので古いけどこちらを購入した。
ハイライト
熱意があれば相手に伝わる、はウソ
教えた、と言える状態は「教えた結果相手が今までできなかったことができるようになった状態」である
逆にいうとこれが達成できていない状態は教えた、と言えない
こういう外から見てわかる状態をゴールにする必要がある
結果が思わしくないのは、教える側の責任である
学ぶ人にやる気がないなら、やる気を起こさせるところからが教える側の責任範囲(教える技術不足)
これはなかなか、厳しい言葉だなとmochi5o.icon
社会人だし、というのは教える側の甘えであるのかもしれないmochi5o.icon
教える技術では相手の心は変えられない
気持ちを変えられるのは自分だけ、行動が変わると気持ちが変わるかもしれない
教えるためのステップ
教えたいことを明確にする
行動を変えることをゴールとする
教え方のルール10カ条
- 熱意よりも何をどうすればいいのか具体的な指示を
- 教えたかどうかは学ぶ側が学んだかどうかで考える
- 結果が思わしくないのは、すべて教える側の責任
- 上手に教えたいならコミュニケーション上手になる
- 教えるときは相手をよく観察して相手の状況をつかむ
- 相手にとってちょうどいい知識を与える
- 相手に教えたことを練習させて結果をフィードバックする
- 相手の心は変えられないが行動は変えられる
- ゴールは必ず行動として設定する
フィードバック
即時フィードバックでやる気を刺激する
ほめる、とフィードバックは違うことを意識するmochi5o.icon
大げさにほめすぎるので注意しよう…mochi5o.icon
スモールステップでの教え方は先が長いので、ほめられることになれると嬉しさを感じなくなってしまう
「すばらしい」と言われると次も失敗できないというプレッシャーを与えてしまう
失敗を恐れるようになってしまう、という観点がなかったので学びになったmochi5o.icon
もちろん叱らない
学ぶ人は、自分が練習しているところをきちんと見てくれることを嬉しく思う
認知スキルの教え方
認知スキルは、「記憶すること」「問題を解決すること」「話したり書いたりすること」の3つのスキルに分けられる
問題解決をするには、大きな問題をいくつかの小さな問題に分解したり、効率の良い手順や段取りを考えたりすることが必要
問題の分解を手伝う、というアプローチは必須だなmochi5o.icon
これを対話形式で引き出していく、というのがいちばん効果的な感じする(けど時間がなぁ)mochi5o.icon
記憶には「聴覚型」と「視覚型」の2パターンがある
相手をよく観察してどちらで説明すればいいかを見極めるmochi5o.icon
出来事を話すときに時系列に沿って話す=聴覚型
出来事を話すときにその場面を切り取ったような話し方をする=視覚型
話す順番=自分の中で印象に残っている順番
どうしてわからないの?は無意味な質問
解き方のパターン(=スキーマ)を相手に獲得させるのが問題解決を教える、ということ
スキーマをたくさん獲得できるとあらゆる問題への問題解決能力が高くなる
話す&書くを教えるときはとにかく反復練習
「ボールを見て」という代わりに「ボールはどんな回転をしていましたか」と尋ねる
結局、良い問いかけが相手の行動を変えることになるmochi5o.icon
すばらしい指導者は、問いかけが秀逸なのだろうmochi5o.icon
態度スキルを教える
今やってないことをやり始めるように教えることは、それがなんであっても大変なことです、学ぶ側に「それを’やってみたい」という強い意志があるときはいいでしょう
逆にいうと強い意志がないと無理ゲーってことmochi5o.icon
なぜ「やれない」のでしょうか?それは、「自分はこういう人だ」という認識、つまりアイデンティティはそう簡単に変わらないからです。
コンフォートゾーンの話だなmochi5o.icon
なぜそれをやることが必要なのか、というストーリーが必要
相手の中にあるストーリーを思い起こさせる
最終的には「自分で自分のやる気を出すスキル」を獲得することが態度スキルのゴール
言い換えるとまさに「自走力」mochi5o.icon
どういうときにどういうことをすれば自分のやる気が出るのかということを体験しなければなりません
自分の態度を自分で決める
コーチングで相手が自分の態度を決めるのを手助けする
相手の中にあるストーリーを問いかけによって掘り起こす作業
自分が好きな教え方=自分が何かを学ぶときに好んで使う方法
教えたがり(=求められていないのに教える)にはならないこと
教える人と教えられる人とは、常に対等の立場である
何かを学ぶことは楽しいことです。今までわからなかったことがわかるようになり、今までできなかったことができるようになれば、いつまでも若々しく楽しい人生を送ることができますね。
これ、真理だと思う。人間に与えられた感情(というか特性?)のうち、私が最も尊いと思っているものの一つは好奇心と向上心。この特性のおかげで我々はアフリカの地から大陸を渡って遠く南米に至るまで繁栄するようになったし、今も科学やテクノロジーは日進月歩で進化し続けている。mochi5o.icon
この喜びというか、快感みたいなものに一度囚われると逃れられない。動かなかったソフトウェアがやっとのことで動いたときにワクワクするのはずっと続くだろうなmochi5o.icon