5.1.5 ガイド:現地現物
#LeSS本
マネージャーにとって最も重要なマネジメントスキル
マネージャーによる現地現物は、現場に習慣的(例外なく、ほとんどの時間)に行き、実際の問題を真に理解して組織力の向上に活かすこと。現場に行って見るだけ。
マイクロマネジメントは現地現物ではない(見る以上のことをやってしまうから)
現場には 2 種類あるが、両方の現場を定期的に訪問する
参考: 5.1.4 ガイド:LeSS の組織
現地現物の目標
問題解決力の向上
現場を探索し、チームの日常業務を理解することでチームが直面している問題を真に理解する。
問題はチームが解決するため、マネージャーは解決してはならない
もしチームが解決できない場合、マネージャーの役割は問題解決の方法を教え、促進すること
参考: 5.1.6 ガイド:教師および学習者としてのマネージャー
より良い組織の意思決定
現地の問題は (1) 状況や環境、またはチーム特有の問題、(2) チーム外の意思決定によって引き起こされた問題 に分類できる
後者は組織の構造、意思決定、方針によって引き起こされる(複数のチームで同じ問題が発生する傾向にある)
LeSS のマネージャーは現地現物を実践して、チームの仕事の状況を真に理解することで、重要な経営判断についてのフィードバックを得ることができる
より上級な管理職になるほど、現地現物はより重要である。なぜなら↓
上級管理職は、現場からより一層離れていて、現場に居続けるには努力が必要だから
行う決定は、より大きな影響を与える傾向にあるから
現地現物なしの上級管理職の決定は、現場の現実から切り離され、悲惨な決定と最終的な組織の崩壊につながる可能性がある
現地現物の導入が難しいのはなぜか
時間がない
多くのマネージャーは自分の時間をコントロールできず、起きた物事に対してほとんど反応する
カレンダーはミーティングで埋まり、アクションアイテムでいっぱいになる
現地現物を実践することは、ミーティングとアクションアイテムに踊らされるのをやめ、大部分の時間を現場訪問に確保するための計画に労力を使うことを意味する
理解していない
現場に行くのは、現場で起きている問題を真に理解するためである
労働者に共感を示すためではない
進捗を確認するためではない
チームとのチャットやミーティングでは、表面的な理解にしかならない
チームの仕事や問題に対する本当の関心をもって、チームを観察し多くの偏見のない質問をすることが必要である
忍耐力がない
多くのマネージャーは優れた問題解決能力を持っているため、現場の問題を真に理解したら解決することができるが、しないでください
チームは現場で自らの問題を解決することによって成長する必要がある
チームは立ち寄って、問題解決して、去っていくマネージャーを必要としていない
問題が外的要因や組織的、横断的で、チームが解決できない場合は後で対応策をとってください
分析しない
現場の問題を真に把握したら、「問題の原因はチームやコンテキストに固有なのか、組織的, 横断的なのか?」とマネージャーに問いかけてください
「それぞれの問題が特例であり、マネージャーがアクションを取る必要はない」とするマネージャーは無害
すべての問題に組織的な原因があるとみなし、たった 1 チームのフィードバックと状況に基づいて酷い決定を下す人もいる