理事無碍とコンピューテーショナル・フィールド
理事無碍とコンピューテーショナル・フィールド
この「コンピューテーショナル・フィールド」とは何か。
それは華厳の言葉では「理事無碍」と呼ばれたようなものだ。
華厳経の宇宙観や世界論によれば、万物は本来ひとまとまりであり
この世の万物は縁起によって関連し合っているとされている。
近代に見られたような個に対象を分断する世界観とは異なる。
この世界に存在する万物は
原理的にはそれぞれ無関係ではありえない。
万物はどこかで影響し合っている。
旧来は宗教で語られた万物の関係性の中で、
人や物や心や仏や宇宙、すべてが「究極的には」一体となっている。
そこでは、人間がセンサーを用いて認識できる空間だけではなく、
時間的にも同様に、過去現在未来が 一体となっている。
この宇宙観は、
悟りの境地でないと実感をもって観ずることはできないとされてきた。