政治的なものの概念
カールシュミットは、ナチスドイツの政治哲学や法学理論を牽引した思想家の一人。 各領域に特有の究極的な判断基準があるとして、
「政治的なものとは何か?」について迫った。
二元論的、あるいはデカルト的な消去抽出論
人間性についてシュミットは自由主義が論じるような人間の善性を政治理論から排除することを思考した。その事実はともかく人間は悪しきものであると見なすことで、政治権力や国家秩序の理論を構築することが可能となるのである。これは常に敵の存在を前提として考える味方/敵理論に発展することになる
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シュミットはこの味方/敵の対立を発展させるために敵の概念を規定している。敵とは実存的な他者・異質者であり、単なる競争や討論の相手は決して敵ではありえない。敵は自己の存在を否定するものであり、逆に味方は自己の存在を肯定して敵と争うものである。この味方/敵の区別とは他者が極限まで自己の存在のあり方に対する敵対性や同質性を強めることで政治化していく。ただし政治が必ず他者の殺害や破壊などを含む闘争と同等ではなく、それは多様な敵対関係の一形態である。あらゆる宗教、経済、人種などの対立は政治的対立になりうるものである。 ここでいう敵とは、私的ではなく公敵を指す。
例えば、
「汝の敵を愛せよ」新約聖書マルタ伝
言語では、私仇のことを指す。
公敵と闘うな。とは言っていない。