情報と秩序
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why information grows
From Atoms to economics
✅書評
本書の特筆すべき点は
最初に 情報の物理的性質や熱力学的な検討から入って、
原子と言う非常にミクロなレベルから、
人間社会・経済といった非常にマクロな視点に、
同一の因果を見出している点にある。
経済を情報を成長させるシステムと捉え、産業や、雇用のネットワークを慎重に検討する事
で、地政学的なネットワークの所在や知識やノーハウの蓄積をし評価できる
経済複雑性指標を開発した、筆者の興味深い示唆は、感嘆に値する。
情報理論と統計力学的な視点。
この2つには熱力学におけるエントロピーが一部適用される
熱力学においては熱量と言うものは減少しエネルギーはゼロに近づいていくと言う前提がある。
しかし情報に関してはミクロな構造では説明できない増大が見られる。
宇宙では原子が崩壊してエネルギーがゼロに近づいていくのに対し、
地球上では情報量だけが増大していき秩序が逆に増えていく傾向にある
●情報と言う概念
本書では情報の非物質性ではなく、
秩序としての情報の物理的な側面に注目している
●経済学の今のパラダイム
情報の非対称性が指摘されたり、限定合理性とか新しい概念が出てきた
●通信理論
情報と言う言葉は特別な意味で用いられており、
特に情報を意味と混同してはならない。
●工学における情報
通信の根本的な課題は、
ある地点において選ばれたメッセージを
別の地点で正確にあるいは近似的に復元することである。
工学的にも情報と意味をごっちゃにしてしまうとまずい
✅情報と意味の違い
電線の中を通る単調な電気信号こそが情報であり、
それを我々が認識解釈して初めて意味となる。これが最も核となる考え方。
●意味とは?
意味は知識を持つ主体がメッセージに与える解釈であって
メッセージが持つ物理的な秩序とは別物だし、メッセージそのものとも別。
シャノンとボルツマンの公式が一致したことから起点に本書は始まっている
メッセージを最大の効率で評価する基本公式
●情報を複製する生命
DNAとRNAの複製は、
物質の複製ではなく、具象化された情報の複製といえる。
他の生命種は具象化された情報を複製する事に生命の全てを捧げるが、
人間はむしろ情報を作る事に生を捧げている。
人間は他の種と異なる、大量の情報を外部に書き込む能力を身につけた。
(文字だけではない。)言語や道具等もそれに当たる。
つまり想像し、(特徴付けて整理された概念の創造)
それを現実世界に投影する事ができるようになった。
●エントロピー
エントロピーの統計物理学的な定義
「同等のすべての状態の数の割合の対数」
エントロピーは必ずしも無秩序の尺度ではない
ある状態の多重度と同等な状態の数を図るものである
情報を指定するのに必要なビット数は伝達可能なメッセージの数
(状態の多重つまりエントロピー)の関数になる。
エントロピーとは複数の物理的状態の平均のことだが、
情報とは特定の物理的な状態のこと
しかし実際の物理形で云うと情報とはエントロピーの正反対の性質を示す。
情報は到達するのが困難な非常に高い相関を持つ希少な配置を含むから。
それがパターンであり概念ごとの相関であったりする
例えばある物体が壊れたときに、 エントロピーが高く、
原子の配置が複雑なので、その状態を伝達するのに必要ビット数が多いにもかかわらず。
具象化されている情報が少ないと言う状態になる。
●まあ座標系
●情報エントロピーと時間
物質的な状態に均衡を発生させ情報に意味を持たせる仕組みは何なのか
非平衡の物理系の定常状態の中で情報が自然と発生する
時間の不可逆性
有名な万有引力とか相対性理論とか運動理論の法則は
理論上は時間的可逆である。
しかし現実に時間が不可逆であることから、
あらゆる状態が変化し続けることそのものが時間なのではないか。
動的定常状態
動的な状態で安定すること例えば2つの部屋の気体密度
静的定常状態
例えばボールが落下して止まること
熱力学ポテンシャル
物理系の定常状態は熱力学ポテンシャルと言う
数学関数の最小値として記述できる
非平衡系は秩序が自然に発生し情報破壊を最小化するような定常状態へ自己組織化される
自己組織化する状態によって特徴づけられる状態は豊かな相関を持ち
散逸的でなく生命の前提条件である物理的秩序を生み出す
●固体と情報
統計物理学的な非平衡
情報を生み出し保持する平衡系の統計的性質は人間に起因しない。
情報の起源を理解する助けにはなっても情報の持続性を理解することができない
現実に情報と言うと持続性があるからこそ、
再結合し生命や経済が誕生し得る。
情報に富んだ生命の性質を説明する上で固体は欠かせない。
生命と言う現象は生体分子の非周期性とその固体性、結晶性の両方に依存している。
非周期性は分子が情報具象化するのに欠かせない条件であり、
分子の個体性はその情報を持続させるのに欠かせない条件である。
miyabi.iconこれは最も長く残る媒体がいまだに石であったりすることと
関連づけて考えることもできて、
酸化せず安定的、つまり物理学的に言うと定常的な固体に文字と言う秩序を入力して残す行為。
氷だったり、 逆に期待や液体等に情報を記述しても
瞬時に動的な定常状態に戻ってしまうのですごく儚げな情報記録しかできない。
情報の起源=非平行型の定常状態
情報の持続理由=情報が個体として格納されるから
宇宙は凍っていて、なおかつ動的でもある。
物理学的に言うと
個体はその構造が周囲の環境の熱伝導に対して安定しているので凍っていると言える
樹木や動物は比喩でなくコンピューターと捉えられる。
我々は忘れがちだがコンピューターはネットワークに接続していなくても
情報処理の機能を持っている。
アバターで惑星全体を生む森林がネットワークを持ったコンピューターとして描かれていた。
生命や科学変化は計算の基本的な様式を持っている物質が持つ計算能力の結果としての生命
時間が不可逆だと言う話
統計力学で不可逆だと言えるのは、
多数の粒子からなるカオス形には形の進化を逆転させるには、
つまり時を戻すには無限の情報量が必要になるから。
これは統計力学系が逆行し得ないと言う意味でもある
この前提を持って考えると、私たちの宇宙には過去が現在存在しているわけではなく
その瞬間その瞬間で計算される現在が存在するだけと言うことになる。
Miyabi.icon物理的秩序の情報として世界や時空間を、遷移する状態として捉えるなら
量子物理学て言われているブラックホールの表面情報理論の理解が深まる気がする。
これはニュートンやアインシュタインのような空間化されてい る時間間ではなく、
微視的なレベルで過去のが計算不可能なため過去に到達できないと言うことを示している。
✅想像の結晶化
アップルとりんごではどちらも経済取引の対象であり
生体細胞またはチップの中に情報が昇華されているが、
りんごはまず世界に存在しその後で人間の頭の中で概念として存在するが、
アップルのほうはまず頭の中に存在しその後世界に存在するようになった
つまり創造の結晶と呼べるのは一方だけシリコンバレーのアップルの方だけ
Miyabi.icon考察.
人間の頭は相関と共通性を見つけることに特化しているので
情報についてもあるかのように各の情報を結びつけネットワーク化する性質がある。
プロダクトは人間の創造の具象化
GDPを想像力収支で見ると資源国と先進国の貿易において
資源国の方が貿易収支においてプラスになっていても
想像力で言う収支はマイナスになっていることが多い。
想像力収支と言う観点で見ると、
むしろ原子の輸出によって想像力を先進国から搾取しているのは資源国の側であると言うロジックになる
ここで重要なのは
価値の創造と金銭的占有と明確に区別することで富と経済発展の違いが理解できる。
ともすると、その製品についての価値は経済的にも、
製品自体よりその製品を創造から結晶化させる行為と能力そのものに意味があることになる
しかしある製品の経済的価値について理解するには
物理的秩序やその起源つまり想像力から結晶化していることだけではなくて
その物理的秩序がつまり情報が利用される文脈についても加味する必要がある。
例えば錠剤はそれ自体は単なる単純な分子の主語でしかないが、
作られた文脈と使用される際の文脈によっては全く違う意味を持つ。
現代の道具の多くは仕組みを作られ方を理解していなくても
文脈とノウハウがわかっていれば誰でも使えるようなものが多い。
これは情報とその意味が分離していることを如実に表している。
情報やその文脈固有の性質を物理的に具象化能力の強い地域へのノーハウの実用的を増幅するシステム
想像結晶化する能力のメリット
集団能力の総和が個々の知識を大幅に上回る社会
知識の実用的用途を他の人々と共有できる
3つ目に製品やサービスのもたらす増強効果身体拡張的な効果によって人々は新しい表現の形態を自由に探し能力を手に入れる 想像力の結合
考察
これは基本的にすべての道具を人間は身体拡張として認識する傾向からも読み取れる。
ラケットは手を自転車は足を拡張する道具であり文字は脳のメモリをそして言語によるコミュニケーションは個人の人間性を外側に広げる身体拡張である。
小学生は 鉛筆をとって漢字練習を行うが現在我々はiPhoneのメモにフリックで文字入力をする。そしてそれをほとんど全く意識せず行うことができるようになる。
ノウハウの量子化
経済のシステムは自然界のあらゆるシステムと同じで情報を作り出す能力を持っているがそれは計算能力によって制約される。
個人の限界
個人の理解や、地理的な社会の理解には限界や制約があって需要とインセンティブさえあればどんな製品の生産されるようになると言う楽観的な経済モデルをでは
実際に取引されるものを提供するためには製品を作るインセンティブ以上に作り方を理解することが必要になると言う点が抜けている。
国家間で知識をノーハウが社会的ネットワークの中にありコピーしづらい場合想像を結晶化する能力に大きな開きが出てくる
個人のレベルと言うと知識の蓄積が難しいのは学習が経験 社会的なに基づくものだから
今現在高度な知的価値や技術は多くが物的資源をほとんど必要とせずノウハウやスキル等成文化するのは難しい旨の暗黙知が含まれている
つまり創造の結晶をコピーするためにはある人の神経系の中にある知識をうまく表層的に具象化させるプロセスと、それを誰でも簡単にコピーできるようにする言語の問題が発生する
個人がノウハウを蓄積するだけで難しいが集団になると知識やノウハウの蓄積の問題が人数場合に複雑化する上にそれを再構成できるように個人同士を結びつけなくてはいけなくなる
パーソンバイト possum byte
1人の人間が 神経系で蓄積できる知識やノウハウの最大量
パーソンバイトを超える量の製品を作ろうと思ったら社会的チームでの協力が必要になる,
パーソンバイトとは量子化に関する1つ-1と言える
閾値
ここでの量子化は工学的な意味で連続的なデータを特定の刻の倍数になるように調節することを指す
パーソンバイトは個人の制約
学習が社会的で経験的なものであることから
集団の制約
これは大量の知識やノウハウを細分化し人々のネットワークに分配しなければいけないことから生じる
遺伝的な能力の差については個人で見れば歳があることが多いが国家や地域と言う単位の集団で見ると、遺伝的差異は概ね平均化される
この理論の特徴は知識やノーハウの蓄積を制限する要因の性質については注目しないことにある
個人の知識やノウハウの蓄積能力は有限であると言う点に着目する
企業バイト
知識やノーハウを企業のネットワークに分配する必要がある
個人間または企業間の取引にはコストがかかる
取引コスト理論または新制度は経済学
経済取引はコストがかかり価格メカニズムは流理論ほど動的ではないと言う考えが
企業ネットワークが持つ知識やノーハウの保持能力は企業同士の関係構築のコストによって決まる
コースに影響受けたウィリアムソンは1企業間交流に係るコストを2つの軸に基づいて関係を分類した
頻度に応じて反復的か臨時的に分け
取引を特異性に応じて日特定的と特異的に分けた
Thank you Coach Google つまり関係構築のコストが下がれば下がるほどネットワークが巨大になると言う間直感的な意見
特に輸送や通信技術の変化でこの数十年で市場取引のコスト下落してきた
例えばインフレ調整後の商品の4コストは20世紀中に90%下落したと言われている
ニュースだけの話じゃなくて表示に乗せてつまりWi-FiとかUSBポートとか間電波の基準とかISO
やりとりのコストを削減している昔ながらの例として言語がある
複雑な技術の森関しては知識製造に必要な生産のためのパーソンバイトが複数の企業でないと賄いがないが肝心の製品に関しては関係構築コストを減少することで必要知識やノーハウを分散できるようになる
ガバナンス体制のせいで必要以上に複雑になってしまう事もある。 他の組織と関係を構築する際の官僚的な手間の方が自力での実行能力を上回ってしまい組織は市場から足を踏み外してしまうことになる
例えば政府のウェブサイトとか
そういった極端な官僚主義は大人数を結ぶ巨大ネットワークこそ生み出すが
パーソンバイトはほとんど生み出さない
こういった医療や行政等のインセンティブの働かない
働きづらい状態でのネットワークが被るコストは 非常に高い。
いわゆるトヨタのかんばん方式は、パーソンバイトを最大化するために
関係構築コストを最小限に抑える効率的な方法とも言える。
現代の多くの製品はローカルな生存ネットワークで作られているわけではなく、取引コストが減少したことによる生産の分割により製品の産地はあまり意味をなさなくなっている
巨大な管理費がかかる部門ではやり取りのコストが高く上昇し続ける状態にある
教育業界や医療
生産ネットワークの規模とそのネットワークの具象化できる知識やノウハウ量には関係がある
巨大なネットワークを築けるかどうかは、 関係構築のコストによる
大量の知識やノウハウを集積するには知識とノウハウの両方を量子化する必要がある。
パーソンバイトと企業バイトの2つ。これらは 絶対値として捉えるべきではなく、
知識やノウハウの蓄積に必要な構造の重要な分岐点を示す概念的な境界
だから概念的な量とかではなくただの閾値
あるスケールで見るとネットワークに見えるものが次のスケールでは点に見える
人間のネットワークを経済的な要因だけで理解するのは不十分
経済学者は人々につながりを築くインセンティブを捉え
そのインセンティブ関係を作ったり壊したりすると考える
これに対し社会学者と政治学者たちは経済社会学と言うソーシャルキャピタル理論を生んだ
社会関係資本
社会的ネットワークは経済的関係に先立って存在することが多いし、
経済的な効果を生み出すほど強力でもある。
労働市場のような情報の非対称性や、ネットワーク性の高い分野では
完全な労働市場など存在しないと言っても過言ではない。
実際にマークグラノヴェター等の提供するデータはこうした理論と矛盾する
グラノヴェターの研究では サンプルのうち56%の人々が人的つながりを通じて直近の仕事を見つけていたし、それらを通じて仕事を得た人々は、 直接大家専門の求人機関と比べて給料が高く
また人的つながりを通じて仕事を見つけた人の方が仕事への満足度も高く報告した
日本では15歳以上の34%が、アメリカの1部の地域では70%近くの人が社会的ネットワークによって仕事を見つけていた。つまり社会的ネットワークは職業の形成職業的ネットワークの形成を流しておりその形成の問題は経済にとって非常に重要であると言える」
✅社会的ネットワークの概念形成
共通の社会的中心
三者閉包
共通の友人を持つ人々の間
同類原理
似たような特徴や関心を持つ人々で関係が生まれやすい
職探しの調査などにはこれらの 特徴的な性質が類似性をもたらし、
うまくやっていける人材が得られやすい一方で、
蓄積される知識が不健全なレベルにまで重複してしまう恐れもある。
また社会的ネットワークは人種やイデオロギーに対し閉塞的なので留意する
アダムスミスは経済を
土地
労働
機器に分解した
20世紀になって経済成長はその経済の貯蓄率家と資本減耗の間の綱引きであるとしてモデル化され
1960年代になるとGDP などの労働と生産の関係性を基準にした経済モデルが提唱されだした。
だが実際には経験的データと予測される経済産出量にはギャップが生じていて。
このギャップを埋めようと10世紀後半に生産要素や蓄積プロセスに対処する
新しい要素や数学的ツールを含んだモデルが次々に登場した。
ただやはり集計を用いるのが経済成長や経済発展を説明する唯一最善の方法だと認めるものばかりではなく、今では個々の要素の個別性を保ったまま複雑な分析システムを愛する得るようにならなくてはならないと言うこと。
人的資本の概念
修学率のデータなどから人的資本の知識教育学習 などを人的資本を評価する指標として 使った。
1通学校教育でいられるノウハウや知識と経験的なアプローチやテストや指標で測れる以外の特質した能力について全く図ることができない。
テストは普通非常に幅の狭い能力つまり学生たちの知識の重ねるよう部分の差分を測定するようにしかできていない。
結果的には人的資本と言う新しい要素を加えても予測する世界と経験的な観察結果の ギャップは埋まらなかった
そこで 1980年台終盤から社会関係資本と言う概念が登場するようになる。
21世紀時点での経済の主要な5つの要素
物的資本
人的資本
社会関係資本
土地 地政学的要素
労働力
これらを、
物質
エネルギー
ノウハウ
知識
情報
情報の集団レベルでの蓄積
と考える
人的資本
個人に蓄積された知識やノウハウの社会全体のストック
本書の解釈で言うと物的処分とはそれを作るのに用いられる知識やノウハウの実用的用途を含んだ情報を、
物理的に具象化したものと言える。
4社会関係資本とは社会が持つネットワークを形成する社会の能力である
ネットワークに具象化された知識やノウハウではなくそれそういったネットワークを作成する能力
経済複雑性指標は所得を生み出す経済の長期的な潜在能力を示していると言える
経済学の集計的な分析では個々の要素の個別性が病になってしまい
例えばリンゴとオレンジや
グラフィックデザイナーとプログラマを一緒くたにして考えてしまう
そこでこの経済性複雑性指標を使うことによって
経済の個々の要素の個別性を保つネットワーク手法を確立することで
経済の複雑性を測定できる
経済に集団レベルで蓄積される知識は動作に関する情報までも組み込んだ、
経済のソース産出量の予測指標となるから
知識ノーハウ情報の密接な関係
〜生物学的アナロジー
本書の概論
宇宙はエネルギー、物質、情報出てきている
情報を発生させる基本的な物理的メカニズムは以下である
非平衡系における自然な発生
個体としての情報の蓄積 (石からDNAまで)
物質の持つ計算能力
形は多数の粒子からなり大量のエネルギーが流入する。
エネルギーの流入によって物質は自己組織化できるようになる。
非平衡系は動的定常状態へと組織化するに伴って情報を自然と生じさせる
(渦など)
しかし非平衡形では複雑で永続的な情報についてはうまく理解できない
そこで残りの2つ固体と物質の計算能力について考えた。
・・ 固体によって情報はエントロピーの増大 から逃れられる。
これを本書では秩序と表現する
情報がエントロピーから逃れることで答えは情報の再結合を可能にする。
つまり情報を固体化することが情報が成長することを促すことになる。
こういった熱力学的な情報解釈をしていく
生命とは、情報の蓄積と処理能力に優れた、非平衡な系である
シュレディンガーは1944年の著書(生命とは何か)
情報を具象化できるのはその個体性のカギだけではなく
DNAのような結晶性の個体の日周期性、
言語に見られるような長距離相関と短距離相関が
大量の情報を記述することを可能にしている。
情報の成長には固体が欠かせない。
となると情報が成長しやすい環境条件もわかる。
温度範囲の狭さだ。
情報は完全に凍結した環境では成長せず高すぎる環境でも成長できない。
太陽のような環境では平行から離れた渦はいたるところにあるが、
そういった情報系は短命で再結合も成長もし得ない。
以上から情報が生まれるにはエネルギーが、そして生き残るには答えが必要だということがわかった。
物質の計算能力
例えば分子と言う単位で見ると、
C+O2→CO2
といった化学式に見られるように、物質は広義での計算能力を持っている。
んん生命や自然現象で見られる物質による計算
非平衡系・固体・物質の計算能力
この3つのメカニズムのおかげで物質はエントロピー増大を抜け出すことができる
上記の熱力学的な情報や物質の理解を、経済における情報の成長や大規模な社会システムに当てはめて考えたのが本書の本論にあたる。
人間は新しい携帯の情報を生み出す新しい脳や社会を組織化していく過程でその計算能力を 具象化する。
歴史上のどの時間軸で見ても情報を物理的に具象化すると言う行為が、
経済にとって 以上に重要である事は自明。
だがこの私たちの経済や社会、
もしくは人間の能力の、最も驚くべき点は、
情報の入れ物の物質性ではなく、私たちの具象化する情報が、
脳から生まれたものであると言う点。
脳が創造を結晶化すると言う表現を本書で扱っている
ここでようやく大規模な経済についての言及が始まる
脳が創造を結晶化するには1人の人間では実現不可能な、
人間のネットワークを用いた複雑な計算を行う必要がある。
なぜネットワークを築く必要があるのかと言うと知識やノウハウの量には限度があるから、これをパーソンバイトと呼んでいる
つまり現代社会や経済は想像の結晶を生み出すのに必要な、
知識やノウハウを蓄積する1種の分散型コンピューターネットワークのような働きをしている。
この想像を結晶化する社会的ネットワークや
職業ネットワークが私たちが大量の知識やノウハウを蓄積できる構造と考え
私たちの社会や経済の問題はいかにして人間のネットワークに知識やノーハウを具象化するかと言う問題と捉えた。
こういった経済や産業のネットワークや、 そこに蓄積された知識やノウハウを検証するために経済複雑性指標を使う、といった流れ
考察
地球気温の気温温度範囲の狭さは生命を語る上で特筆に値する。情報の増加のしやすさと言う意味でもこの地球上全体での温度範囲の狭さと言うのは生命にとってつまり情報にとってかなり繁栄する上で有意な条件だったと言える。