力学系
何かの状態の時間発展が、規則にしたがって決定論的に一意的に決まっている系を力学系という
一般に、力学系の振る舞いは「保存的」か「散逸的」かに分類できる
物理的な系としてばねや振り子の系を考える
系に摩擦が無いとき
力学的エネルギーが保存され続ける
保存系
系が摩擦があるとき
力学的エネルギーは熱に変わって系から失われる
散逸系
日常的に観測される実存の系の多くは散逸系といえる
散逸系はエネルギー的に開放されているのが特徴
非平衡開放系とも呼ばれる
摩擦がある振り子は、時間が十分経つと静止する。しかし散逸系であっても、エネルギーが流出すると同時に流入してバランスすると、最終的な運動が静止状態になるとは限らず、安定な振動状態を取ることもある
力学系の考え方では、対象とする状態を変数の組として表し、それを空間上の1点とみなす。
時間発展に従って動く空間上の点の軌跡は軌道と呼ばれ、状態の時間変化を表している。
状態の集まりである空間は相空間や状態空間と呼ばれる
散逸系とは?
相空間上に体積要素を取ったときに、その要素の体積が時間発展にともなって減少していく系
(ここでの体積とは3次元以上2次元以下を含む一般化された体積
散逸系では、相空間上の軌道がある一定の領域(状態の集まり)へ引き付けられる現象が存在する。
このような領域をアトラクターと呼ぶ
保存系では、アトラクターは存在しない13。