体毛の喪失
「分子時計」(基本的に、DNA の変異がほぼ一定のスピードで積み上がるという仮定による)を用いることで、
寄生虫学者はこの二 つのシラミが三〇〇万年前から四〇〇万年前に枝分かれしたと推測することができた。
この年代から考え、体毛の喪失は、早くてルーシー以前に起きていたことが論理的にわかる。
現代的な体型が獲得されてすぐ にふさふさとした体毛が失われたという点では、全体として意見が一致している。
森から離れ、熱帯のアフリカの太陽の下で、生理的な原理が変わった。
発汗で熱を放散することが脳と体を冷たく保つための主要な方法だったことはほぼ間違いない。