位置を見る
位置を見る
網膜から V1への投射は、網膜上の位置関係を保持する形で成立している。 しかし、V1にある網膜に対応した地図は,対象をより正確にとらえ、
くわしい観察が可能な網膜の中心部に広い面積が割り当てられており
網膜の周辺部は狭い部分しか割り当てられていない。
網膜の中央部分に錐体細胞が集中しているので 対象 をしっかりと見ようとすると, 眼球を動かしながら, 対象を網膜の中心窩にとらえなければならない。
そのようにして視覚的に知覚された対象の方向を視方向とよび,
視距離とともに事物の視空間の把握に不可欠な情報となる。
ある対象の視方向と異なる位置に別の事物があると, その見えの位置を判断することができる。
その判断を視方向判断とよぶ。 ある視方向から別の位置にある事物を網膜の中心にとらえようとする場合,
眼球を動かさなければならない。
□眼球運動
* サッカード
* 滑動性眼球運動,
運動する視対象を追視するときに生じるなめらかな眼球運動
* バーゼンス(眼球の輻輳開散運動)
奥行き方向に注視移動させる際には、左右の目を同時に内側・外側に動かす必要がある。
3次元空間内の注視では、多くの場合、サッカードとバーゼンスの両方が生じ る。
位置の認知には、このほかにも、前後関係の認知など、後に述べる奥行きの認知も重要となる。