マルコフ過程
(マルコフかてい、英: Markov process)とは、マルコフ性をもつ確率過程のことをいう。すなわち、未来の挙動が現在の値だけで決定され、過去の挙動と無関係であるという性質を持つ確率過程である。 このような過程は例えば、確率的にしか記述できない物理現象の時間発展の様子に見られる。なぜなら、粒子の将来の挙動は現在の挙動によってのみ決定されるが、この性質は系の粒子数が多くなり確率論的な解析を必要とする状態にも引き継がれるからである。
マルコフ過程の定義
一つのシステムの状態を
時点t=0,1,2,3,……で考察する。
このシステムのとりうる状態は可算個であって、それをS1,S2,S3,……とする。
各時点におけるシステムの状態は、
確率法則で定まるものとする。
時点nで状態がSjのとき、
Xn=jとなる確率変数列を[Xn]とする。
X0=i0,X1=i1,……,Xn-1=i n-1のとき
Xn=jとなる条件付き確率が、
条件Xn-1=in-1だけに関係し、
それ以前の経過に関係しないとき、
確率変数列{Xn}をマルコフ連鎖という。
ロシアの古典文学をマルコフ連鎖というモデルで表した。
母音の次に子音が続く確率というのを、
一音ごとの次の確率というように、
事後の確率を次の計算に連鎖させた。
Googleのページランクも同様である。
あるページの重要度が、そのページに載っているリンクに連鎖するように確率を高めるような計算になる。