ホモ・サピエンスの移動
新参のホモ・サピエンスが先住者のまったくいない新しい土地へは移動しなかった。
彼らが拡大した土地 には、ほとんどとは言わないまでも多くの場合、
ほぼ間違いなくすでに類縁の種が居住していた。
行動の面で現代的なホモ・サピエンスが ヨーロッパへ移った時、
行動的に古代型のネアンデルタール人はその地を明け渡した。
現生人類が東 南アジアに入った時、ただちに姿を消したのは、ホモ・エレクトスだった。
そしておそらく記録の乏しいアフリカでも、
MIS4の過酷な時代を 生き抜いたほかのヒトに同様の事態が起こったと考えられる。
この新しい侵入者には明らかに何か「特別な」ものがあったのだ。