モーションしりとり #1-10
時間があるときに自分のペースで進められるタスクを作ってみる。発言のきっかけを増やすことも主な目的の一つ。纏まった尺の映像の自主制作でなく、短いスパンで作って投稿できる内容で定型化したい。余裕があるときに続きを作り進める予定。
前カット終わりの動き等の要素から連想して、2秒ずつ続きを制作する、モーションしりとり的な形式にする。1つ前のアニメーションがお題・取っ掛かりとなり内容を考えやすいと思ったため。自分の手癖でもあり個人的に取り組みやすい。
「一つ前のカットを手がかりに次のカットを作る動画」程度の意味で個人的にモーションしりとりと呼んでいるが、厳密には動きで繋がなくても良しとしたい。気楽に手が動かせるように、手法などを気にせず細かいルールを設けないようにする。
1. でんでん太鼓
最初なので作風のルールから考える。色や手法を統一するか、画面や投稿のフォーマットをどうするか。この時点でフットワークが重くなりがち。多少の不統一には寛容になり軽い気持ちで続けたい。2Dや実写が混じっても面白そうだけど、一旦C4D中心で考える。
Illustratorで見た目を作る。最初に2D的に見た目を固める作り方が身に馴染んでいる。
3D空間上でものを動かすと「立体としては正しいが、2Dでの画面づくりだと描かなそう」という半端な色面がでてくる。
https://gyazo.com/8c73d9745dc5cfaaac6179a9b7d78740微妙に見切れる鋲を消す調整を入れたが、背景色的にあまり影響なかった
ひも的なものは難しい。シミュレーション的なものは得意でなく。ヌルとトレーサーを使いなんとか。
シンプルなループBGMもプリセットなども参考に打ち込む。120bpmで打楽器のみ。秒数のカウントをイメージ。今回BGMに合わせる形で作っているが、映像に合わせてSEをつけても面白いかも。
2. コイン
前のでんでん太鼓の回転方向の動きをコインの回転に引き継ぐ。
過去作MAKE IT FUNKY NOWで登場したモチーフをイメージ。デフォルメの仕方も過去作を引き継いでみる。コイン側面の溝は、等間隔の線で表現。3Dで作ったモデルをそのままトゥーンレンダリングしてもこうはならない、という見た目の嘘が好き。過去作ではシェイプレイヤーだったが今回はC4DとAeでのコンポジットで再現。
コインの面の角度を求めてAeでストライプを生成、法線マップで特定面積のマスクを作りストライプを表示。力技だし手数が多い。フレーム単位でストライプの本数が変わってしまう。結局フレーム単位で調整することに。なかなか1発で自動でといかない。
https://gyazo.com/a10906b130e078a9060f3e81459fad0d我ながら気に入っているデフォルメを3Dで再現
3. グラス
前のコインの回転の動きと、ワインの水面の動きを近づける。
普通にガラスの厚みも含めモデリングし、正しい反射・屈折をさせる作り方も試したが、結局2Dのデフォルメ的に作った見た目を再現する方針に切り替える。グラス、グラスの穴の楕円、ストロー、液体部分などそれぞれ別々に書き出しAeで組み合わせる。
1発でC4Dで完結させたほうが手っ取り早いんだろうと思いつつ、「正しい立体はこうはならなそう」という、擬似的に作った屈折やハイライトが好みではある。
https://gyazo.com/ac86bf72ed0664dd42e87e2a5fd2b669コンポジットも結構な工数だと思い知る
最後液体を少しだけ残すか、完全に消すか少し迷った。
4. 鉛筆
前のストローの位置に鉛筆を合わせる。すんなりアイデアが出た1-3と違い、モチーフ検討から難航。
手や体を登場させるか否かを考える。ツルッとした作風と複雑で有機的なモチーフが合わないことが多く。鉛筆だけ登場させるとグラフィック的に纏めやすいかもしれないがそっけなく、なんとなく手に持たせたい。過去には手を登場させる場合、肌の色から極力遠ざけ、シルエット的にしていたり、手袋のような表現にした事がある。フラットで単色の画作りの場合、指の重なりの表現に悩まされる。
動きも少ないから2Dで手を描こうとも思ったが、勉強にと思い立ち手をモデリング・リギング。形状はリメッシュ→SDSで凹凸を落としてのっぺりさせつつ、爪の光を入れて単なるシルエットよりも描き込み感を上げようと試す。
https://gyazo.com/789b00fffd3b1088a7ab85652f407ffeベタ塗りする前提でモデルを試行錯誤。知見は増えていくが、気楽に作れる程度に工数を落としたい
5. トースト
前カットの線の位置をトースターの穴に合わせる。線を中心に視点を動かすことで、その部分を若干強調できたような…
今回作った繋ぎ方には「前カットの動きを後カットで引き継ぐ」「前後カットの要素の配置を揃える」の2パターンある認識で、これは後者。前者に比べて繋がっている感じが薄い気がする(言われないとわからなそう)
https://gyazo.com/5a487f27e2475453eb8609561151a26a
またモチーフ探しに難航。穴から飛び出すモチーフを散々考え、結局最初に思いついたトースターに。
次に繋げるためパンが飛び出す誇張表現で終わる。子供の頃沢山やったメイドインワリオの影響がかなり強い。
モデリングして動かすシンプルな動きだが、作ってみるとバー押し込み時の感触や、作動中の震えなど工夫したくなる。
「入れたのと違う穴から出る」のようなふざけがたまに出る。冷静に見返すと謎。シンプルな分ひねりたくなるのかも。
6. 入浴剤
前カットのパンが落ちる動きを引き継ぐ。落下の動きを作れるモチーフとして、ちょうど友人の結婚式で入浴剤を貰ったことを思い出し、採用。
入浴剤の表現、お決まりのものがなくどうするか。特定の商品っぽくしたくなかったのでバスボムっぽく。「飴っぽい」と意見ももらいつつツブツブ感を調整。
例によってAeでコンポジットするためパーツごと書き出し。C4Dファイルが複雑化しがちなので程々にしたい。
球体の表面からエミッターでパーティクルを発生させクローナーで泡を生成。泡の上る軌道(バスボムの直径より窄む)をPythonエフェクタでなんとか実現。Pythonエフェクタ、多いと重くなる。
https://gyazo.com/018c2c5ab95aa4d3cbefde6602427cb2「各クローンのX位置とエフェクタのX位置(中央)の差を-1~1で出力」するエフェクタ
https://gyazo.com/41208f008676c0a190933c76ea1d5f1cPythonタグで、線形フィールドの位置を、デフォーマで変形した水面ポリゴンの特定の頂点の位置に指定する
7. ロウソク
前カットの泡の軌跡から火のシルエットを連想。滑らかに見えなそうだったが、最初の数フレーム炎を激しく動かすと多少良くなる。細かく激しく動くとロウソクの炎らしくないので程々に。
モチーフ的に暗い背景でないと映えなそうなので、暗い背景パターンをつくる。ダークモードのようなイメージで…前が水の背景色だったのでイレギュラーに見えてしまう。
炎、煙はシミュレーションでなく変位デフォーマなどで擬似的に。ただ燃えるだけならあまり違和感ないが、動きが加わると調整が難しくなる。
ベタ塗り中心で炎を描いてみる。他カットでもベタ塗りの方針だったのでなるべく合わす。
https://gyazo.com/edb6c8cd4c5e5231b5269c074b46a352フレネル・火先までのグラデーション・芯のシルエットを組み合わせ、Aeで閾値設定・色付け
次に繋げる動きを出す意味で、最終的にろうそくを倒してみる。風に吹かれる表現、もう少し研究したい
8. 踏切
前カットのろうそくが倒れる動きと、踏切の下がる動きを繋げる。
「前カットの動きを後カットで引き継ぐ」「前後カットの要素の配置を揃える」の2パターンでいう前者で、モチーフの位置は全然合っていないのに割とスムーズに繋がっているように感じるかも。
https://gyazo.com/9c273e5e97a782a1946ea82e83fd380c
遮断桿の回転→電車の並行移動と、自然に動きを移行できしりとりとして面白そうと踏切をモチーフに採用。複雑にしようがない動き。素早く動くものにモーションブラー的な効果として微妙にノイズをかける
動きは簡単だが電車を作るのに地味に大きい工数かかる。動きの内容的に2Dで描いても違和感なさそうと思ったが、一応軽くモデルに起こす。
9. シャボン玉
前カットの電車の移動方向と動きを揃えられるモチーフを考える。何かが左に横切るようなカットが良いと思ったがしっくり来るものが出ず、左方向への力が感じられ、泡の形が面白くできそうなシャボン玉を選ぶ。
始めはストローで吹くタイプのシャボン玉を、パーティクルで表現しようとしたがうまくいかず。大きめの枠で吹くタイプのシャボン玉にして膜の動きも面白くできた気がする。
枠に張っている膜と、クローナーで複製したシャボン玉を組み合わせてシルエットを作る。膜とシャボン玉同士が重なる箇所を滑らかにするため試行錯誤。ボリュームビルダーを使って一応実現。
https://gyazo.com/17259d3059989432aa5e9cfb1c9bdec0
シャボン玉の描画自体はシンプルにしてみた。全体的にベタ塗りの方針に沿う。シャボン部分の色は法線マップを駆使してAeであとから付けている。
https://gyazo.com/00ab02259f55dc501f4dcc95372562fcもっと良い方法はありそう
10. モビール
前カットのシャボン玉の位置と吊るされた星の位置を合わせる。
これも「前カットの動きを後カットで引き継ぐ」「前後カットの要素の配置を揃える」でいうと後者の方法。繋がってる感は薄いかと。これはこれで面白いと思うけど
モビールに何を吊るすかを考える。何でもいい分決めづらい。今回はシンプルにまとめるために基本的に星のみに。
紐と横棒の組み合わせの構造を作ることにほとんどの工数がかかる。コンストレイントタグで紐の角度を垂直に。構造ができて動きを調整する段階になると楽しい。
https://gyazo.com/707c86212d22a661f1670610c8861293吊るしているものの重さは一旦考えず
数式エフェクタで一定の値プラス・マイナス方向に回転。数式エフェクタによく書く式がどこかにまとまっていてほしい。
次に繋げるために、最後に吊るされている星が1列に並ぶような配置で終了。
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2秒の短いカットでも、それぞれ個別のモチーフのカットで色々後書きが書けそうだったので書いてみた。
「前カットからスムーズに繋がって見えるか」の観点だと、厳しいものもある気がする。なるべくカメラというよりモチーフの動きや特徴を使ってカットを切り替えたい。
とりあえず開始時の目標だった10個は終えたので、あとは続けられそうなときに続けたい。(あとがきは書かないかも)