アーバン熊2.0
アーバンベア
《熊による本格的な人間領域への侵攻》「人間をナメ切っている」“アーバン熊2.0”が「住宅街は安全でエサ(人間)がいっぱい」と知ってしまったワケ (NEWSポストセブン)|dメニューニュース(NTTドコモ)
現在、全国を恐怖に陥れているのは人間の生活圏に進出する「アーバン熊」である
以前は山菜採りなどで山に行った際の遭遇ケースが多かった
「アーバン熊」がさらに人間について学び進化し、「アーバン熊2.0」が登場している
日本では未曽有の「熊害(ゆうがい)」が予想され、今後、人の活動領域が熊によって奪われる可能性がある
異常な事態として、本州のツキノワグマ生息数が4万5000頭に迫り、北海道のヒグマも1万数千頭に急伸している
1億2000万人がひしめく経済大国で、殺傷能力を持つ人間を恐れない約4万頭の「猛獣」(アーバン熊)が生活圏を接している
熊害は世界の生息地域で絶滅危惧種とされる熊がいる中で、日本だけに起こった異常事態である
1980年までは日本も世界のトレンドに近く、生息数は減少傾向にあった
1970年以降の国内林業の崩壊と少子高齢化により、人工林を含む里地里山の約2割(国土の4割に相当)を人間が「放棄」した
この放棄地は植生が乏しい原生林と違い、堅果類の広葉樹林帯や放棄果樹、餌となる小動物が豊富で「熊の楽園」となった
若熊はこの「開放区」を求め本州全土へ移動し、急激に数を増やした
この開放区の限界値を超えて生まれた熊たちが、新たな新天地として人間の活動域へ侵入し、アーバン熊となった
アーバン熊が世代交代し、人間を知り尽くし、より人間をナメ切った「アーバン熊2.0」が出現している
「アーバン熊2.0」は、市の郊外より、人や建物が多い市の中心部のほうが「安全」と学んでいる節がある
例として、2023年12月に八王子市役所近辺をうろついた熊がいる
住宅地では住民への被害リスクから、強力な猟銃弾の発砲が安易に許可できない
警察官の拳銃では熊を殺傷できず、手負いにして被害を拡大させる危険がある
自衛隊の小銃も人間向けの対人用で威力が弱い
大型動物用猟銃弾は威力を高めているが、人の多い場所での使用は難しい
「アーバン熊2.0」は、住宅地で騒ぎになっても山へ逃げるより住宅地へ進んだほうが「安全」と理解し、完全に人間をナメ切っている
「アーバン熊2.0」が母熊となれば住宅地近くをテリトリーとし、その結果、僻地の住宅地や農地では「人が住めなくなる」可能性がある
農地の電気柵設置は莫大な費用がかかる
駆除しても餌環境の良い放棄里山がテリトリーのままなら、空いた縄張りに別の熊が来るだけで解決策にならない
この流れが続けば、出没多発地帯の地価はタダ同然となり、人間はエリアを「放棄」せざるをえなくなる
「アーバン熊2.0」がこれを「アーバン熊3.0」へと伝えていった場合、熊による本格的な人間領域への侵攻が始まる可能性は、もはや絵空事ではない