20210304:日本保育者養成教育学会で口頭発表しました
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日本保育者養成教育学会の第5回研究大会が行われました。私は吉田新一郎さんを通して、山元隆春先生からこの学会のことを紹介され、昨年中に加入して学会員になりました。私は専門が国語教育のものですから、幼児教育に関係する学会や研究会とは縁遠かったんですね。しかし、読み聞かせの研究を国語教育の学会で発表しても、どうも手応えがないというか、あまり研究している人が少ないというか、そんな印象を受けていました。そこで、幼児教育関係の学会でならどうだろうと思い、加入し、そして今日の学会で発表をしたわけです。
私の発表は「欧米の読み聞かせの経験が学生の保育観に与える影響」というもので、読み聞かせの授業実践を受けた学生が自らの保育観をどのように変容させたか、を調査しまとめました。従来からこうした内容の研究発表は繰り返し行なってきたのですが、今回の発表では学生の自由記述の内容を本格的(のまだ手前)に分析したことが特徴でしょうか。自由記述の分析のためにKH Coderを少しだけ本格的に活用しました。
私は本学の個人研究加速化助成金を受けていますが、その助成金を少しでも今後のために用いようと考えた結果、KH Coderのオンライン研修費に充てることにしました。そして、2月末、忙しさが頂点に達する時に、受講の締め切りギリギリまでかかってオンライン研修を受けました。このおかげで、ようやくKH Coderの使い方の基本が分かったように思います。本当は「ステップアップ編」があるので、そちらも受講したかったのですが、ウカウカしている間に申し込みの期限が過ぎてしまいました。残念! これだけ得るものがあるのなら、ステップアップ編も受講したかったなぁ。
研究発表は15分間でした。この学会の発表の面白いところは、私の配当された会場は4人の発表があったのですが、その発表は1人12分、質疑応答3分間です。短いのですが、なんと4人が終わった後で30分間の討論の時間が設けられています。ちょっとびっくりです。まあ、あまり興味のない発表について長々と時間を使うよりは、多くの人が興味を持つ発表に時間を多く割り当てた方が良い、という考えなのでしょうか。私が所属する学会の中では珍しい方法です。
その30分間の討議時間の中で、一番多く質問を受けたのが、幸いにして私の発表でした。とは言え、絵本の読み聞かせという、わかりやすい内容ですからね。質問が多いのは当然だろうなと思ってはいました。それでも、質問の内容は欧米の読み聞かせ方をいかにして普及させるかという、私の問題意識に合致した方向のものが2件あって、これは嬉しかったです。方向性はやはり確かなものなのだろうと確認できました。
今後はこの読み聞かせ方をいかに普及させるかですねぇ。学会に閉じこもってはいられないので、どうやって一般に打って出るか、悩ましいところです。吉田さんみたいに本を書ければ良いのだけれど、それほどの新規性は私の実践にはないしなぁ。『読み聞かせは魔法!』はどれくらい売れているんだろう? 2019年に第4刷だから、コンスタントに売れ続けてはいるんだろうなぁ。とは言え、結構な部数は私がテキストに指定しているからだろうけれど。さてはて、普及活動は難しいです。